魚類にも、人間でいう「食欲の秋」に近い現象があります。
ただしこれは季節に応じた生理的な変化であり、人間のように「秋だから食べたい」という感覚的なものではなく、本能と環境条件による摂餌行動の活発化です。
秋に魚の食欲が増す理由
・水温の変化
夏に高かった水温が下がり、魚が活動しやすい適水温(多くの沿岸魚は18〜24℃前後)に近づきます。
これにより代謝が安定し、エサを積極的に食べられる状態になります。
・産卵や越冬に備えるための栄養蓄積
多くの魚は冬に水温が下がると活動が鈍くなります。
その前に脂肪や栄養を体に蓄えるため、秋に捕食量を増やす傾向があります。
例えばサンマやブリ、ヒラメ、メバル、根魚類などは秋に脂が乗るのはその証拠です。
・餌生物の増加
秋はプランクトン、イワシの稚魚、甲殻類など、夏に成長した餌が豊富に存在します。
捕食対象が多くなることで、自然と捕食の機会が増えます。
種類別の特徴
・回遊魚(ブリ、カツオ、サンマなど)
秋は南下回遊の途中で体力をつける必要があるため、脂肪を蓄えながら活発に捕食します。
釣りでは秋ブリ、戻りカツオ、秋サンマなどが「脂がのって美味しい」とされるのはこのためです。
・底物・根魚(カサゴ、アイナメ、グレなど)
冬の寒さに備えて栄養を蓄える時期。
甲殻類や小魚を積極的に捕食し、釣果も伸びやすい季節です。
・淡水魚(ブラックバス、ワカサギなど)
水温低下により夏の酸欠が解消され、活発にベイトを追うため秋は「荒食いシーズン」と呼ばれます。
釣り人にとってのポイント
・秋は魚の「食欲の秋」にあたるため、一年で最も釣りやすく、美味しい魚が増える時期。
・特に脂の乗った青物(ブリ、ヒラマサ、カツオ)や、身に旨味を蓄えた根魚(グレ、メバル、カサゴ)は狙い目です。
・エサやルアーへの反応が良く、活性が高いので初心者にも釣果が出やすいシーズンです。
まとめ
魚に「食欲の秋」という言葉は使わないものの、
・水温が下がって代謝が安定する
・冬や産卵期に備えて体力を蓄える
・餌生物が増える
これらが重なることで秋は魚が最も積極的にエサを食べる季節となります。
釣り人にとってまさに「ハイシーズン」と言える時期です。


