1.体色の違い
湾内(港・汽水域)
・海底が砂泥質で明るく、太陽光が反射する環境。
・保護色として銀白色〜淡いグレーの個体が多い。
・河口部や汽水域ではやや黄色味を帯びることもある。
→回遊性が強く、スズキやボラに似た光沢を持つ「銀ピカチヌ」と呼ばれるタイプ。
沖(磯・外洋)
・岩礁や海藻帯が多く、暗い環境。
・外敵から身を隠すため黒っぽい個体が多い。
・大型の居着きは背中が墨をかぶったような煤けた黒になることも。
→釣り人は「磯チヌ」「クロチヌ」と呼び分けることがある。
2.味の違い
湾内個体
・餌:カニ・エビ・ゴカイに加え、時にゴミや貝殻片など多様。
・水質が濁りやすく、汽水の影響でやや泥臭さや磯臭が出ることがある。
・身質は柔らかめで脂がやや薄い傾向。
→夏場の高水温期は特に匂いが強くなりやすい。
沖個体
・餌:カニ・貝類・甲殻類中心。
・潮通しが良く水質が清浄で、臭みが少なく甘みが強い。
・身が締まり、白身魚らしい上品な味わい。
→冬の寒チヌは特に脂が乗り刺身や煮付け向き。
3.釣り人の評価
・湾内=数釣り向き
回遊が多く、サビキやフカセで手軽に狙える。
ただし食味を重視するなら季節と場所を選ぶ。
・沖=食味重視
水温が安定し、エサも良質。
特に磯で釣れた40cm以上の寒チヌは市場価値も高い。
4.選び方のポイント
・夏場の湾内チヌを食べる場合は血抜き+海水氷で早めに処理すると臭みが減少。
・冬場の沖チヌは活締め後に2〜3日寝かせると甘みが増す。
まとめ
・湾内の黒鯛:銀白色で回遊性が強く、身はやや淡泊。夏場は泥臭さが出やすい。
・沖の黒鯛:黒味が強く、身が締まり甘みがあり食味に優れる。
釣り人はこの違いを知り、
狙う場所や季節によって「釣って楽しむ」か「食べて味わう」かを選ぶのがコツです。


