清流の宝石、モクズガニをご存知でしょうか。
中国の高級食材「上海蟹」と非常に近縁で、「日本の上海蟹」とも呼ばれるこのカニは、秋の味覚として知る人ぞ知る存在です。
その濃厚なカニミソと、唯一無二の旨みは一度食べたら忘れられません。
今回は、その不思議な生態から、絶品の食味、そして気になる価格まで、モクズガニの魅力を
徹底的にご紹介します。
「日本の上海蟹」モクズガニとは?生態と特徴
提供された写真のモクズガニは、まさに日本の川に棲むこのカニです。
その最大の特徴は、和名の由来にもなっているハサミ脚に密生した褐色の毛です。
この毛が、遠い故郷の上海蟹との共通点を物語っています。
- 生態のひみつ:降河回遊(こうかかいゆう) モクズガニは、河川の上流や中流といった淡水で一生の大半を過ごします。しかし、繁殖期になると産卵のために海へ下る「降河回遊」という珍しい習性を持っています。生まれたばかりの幼生は海で育ち、稚ガニになると再び川を遡上して故郷へ戻ります。小さな体で川の流れに逆らい、時にはダムをよじ登る姿は、その生命力に驚かされます。
- 生息場所と習性 夜行性で、昼間は川の石の下や岩の隙間に潜んで身を潜めています。夜になると活発に動き回り、水生昆虫や藻類、小魚などを捕食します。
絶品!モクズガニの食味
モクズガニの最大の魅力は、なんといってもその濃厚でクリーミーなカニミソです。
ウニやバターにも例えられるほど深いコクと風味が凝縮されており、「日本の上海蟹」と
呼ばれる所以がここにあります。
- オスとメスの違い
- オスは、濃厚なカニミソに加え、ハサミ脚に詰まった甘くしっかりとした身が楽しめます。
- メスは、秋から冬にかけて成熟する**内子(卵巣)**が絶品とされ、とろけるような食感と濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。この時期のメスは特に珍重されます。
- 郷土料理「つがに汁」 モクズガニの旨みを最大限に引き出すのが、各地域の郷土料理「つがに汁」です。生きたカニを丸ごとすり潰して濾し、味噌と合わせて煮込むシンプルな料理ですが、カニの旨みが凝縮された深いコクは絶品。一度は試してみたい食べ方です。
気になる価格は?モクズガニの旬と流通
- 旬の時期と流通 モクズガニの漁期は、カニが川を下り始める秋(9月〜12月頃)です。特にメスは産卵を控えたこの時期が最も美味とされています。主な流通は、産地直送のオンラインショップや地元の漁港、一部の鮮魚店に限られるため、希少価値が高い食材です。
- 価格相場 天然のモクズガニは、サイズや時期、オス・メスの違いによって価格が大きく変動します。一般的には1kgあたり4,000円〜7,000円程度で取引されることが多いです。特に内子を持つメスは、その希少性からオスよりも高価になります。
まとめ モクズガニは、そのユニークな生態と、濃厚なカニミソが魅力の奥深いカニです。
今年の秋は、ぜひ「日本の上海蟹」モクズガニを味わって、その絶品の風味と力強い生命力を
感じてみてはいかがでしょうか。


