その理由を、釣り人や飲食関係者にも分かりやすく解説します。
1.カツオの鮮度は「時間との勝負」
・カツオは「生き腐れ」と呼ばれるほど鮮度劣化が早い魚です。
・釣り上げた瞬間から体温が高く、血中の酵素や菌の働きでATP(旨味成分)が急速に分解されます。
・普通氷では表面が0℃近くになるまでに時間がかかり、内臓温度が下がる前に劣化が始まります。
2.海水氷は冷却効率が圧倒的
・海水氷は塩分濃度があるため融点が−2℃前後まで下がります。
・そのため、魚を投入した瞬間から海水と接して効率的に「全体を一気に−2℃」へ近づけます。
・普通氷は0℃付近までしか下がらず、氷と魚が直接接しない部分は冷えが遅れます。
3.体表のダメージを防ぎ、美観が保たれる
・海水氷は塩分を含むため、魚体が浮き気味でも液体が全身を包み込みムラなく冷却します。
・真水氷は淡水のため魚体表面に浸透し、細胞を膨張させ皮が白く浮いたり裂けたりする原因になります。
・海水氷なら塩分が浸透圧を保ち、皮や目の透明感を長く維持できます。
4.血抜き後のドリップ(旨味流出)を抑制
・真水氷では淡水が細胞内に入り、浸透圧の差で旨味成分が流れ出します。
・海水氷は海水と同じ塩分濃度で細胞を壊さず、ドリップを最小限に抑えます。
・結果として、血合いの色が鮮やかに保たれ、臭みも出にくくなります。
5.実際の効果シミュレーション(目安)
| 冷却方法 | 中心温度0℃到達時間 | ATP保持率(3時間後) | 見た目の光沢維持時間 |
|---|---|---|---|
| 真水氷 | 約40〜50分 | 約55% | 約6時間 |
| 海水氷 | 約20〜25分 | 約80% | 約12時間以上 |
※条件:夏場25℃、釣り上げ直後の3kgカツオ、同量の氷を使用した場合のAI推定値
6.まとめ
・カツオのような鮮度劣化が極めて早い魚ほど、冷却開始の「スピード」と「温度」が命。
・海水氷は−2℃前後の低温で全体を包み込み、表皮ダメージや旨味流出を防ぎながら一気に冷やします。
・釣り人はもちろん、飲食店や市場流通でも、海水氷を使うことで刺身品質を長時間キープ可能です。
結論
「普通氷=0℃」より「海水氷=−2℃」の方が、冷却スピード・見た目・旨味保持のすべてで上回ります。
カツオを最高の状態で持ち帰るなら、海水氷の準備は必須と言えるでしょう。


