鮮魚を家庭で保存する際、多くの方が冷蔵庫や氷を使いますよね。
しかし、プロの料理人や漁師は、魚に氷を直接当てることを避けることがほとんどです。
この記事では、なぜ魚を直接氷に当ててはいけないのか、そして、鮮度を保つための正しい冷却方法を解説します。
1. 「氷焼け」で旨味が流出するリスク
魚の身は、凍る寸前の0℃から-2℃が最も傷みやすい温度帯です。
氷に直接当てると、その部分だけが急激に冷やされ、細胞内の水分が膨張して細胞壁を破壊してしまいます。
この現象を「氷焼け」と呼びます。
細胞が壊れると、旨味成分であるアミノ酸やATP(アデノシン三リン酸)を含んだドリップ(水分)が外に流れ出してしまいます。
これが魚のパサつきや味の劣化につながるのです。
2. 冷却ムラによる品質の低下
氷を直接当てると、冷やされる部分とそうでない部分に大きな温度差が生じます。
- 氷が当たっている部分:急激に冷やされ、氷焼けのリスクが高まります。
- 氷が当たっていない部分:冷却が遅れ、細菌が繁殖しやすくなります。
この冷却ムラは、魚全体の鮮度を均一に保つ妨げになります。
特に、身がデリケートな白身魚や、マグロなどの大型魚は、この冷却ムラに特に注意が必要です。
3. 正しい冷却方法:ビニールシートが効果的な理由
では、どうすれば魚の鮮度を保ちながら冷やすことができるのでしょうか?
最も効果的な方法の一つが、ビニールシートを一枚挟むことです。
ビニールシートを魚と氷の間に敷くことで、以下のような効果が得られます。
- 冷却の緩衝材:ビニールが氷の冷たさを和らげ、魚が急激に冷やされるのを防ぎます。これにより、氷焼けのリスクを大幅に減らすことができます。
- 均一な冷却:ビニールシートによって冷気が魚全体にじんわりと伝わり、冷却ムラをなくします。
- ドリップと雑菌の付着防止:氷が溶けた際に発生するドリップ(真水)が、魚に直接触れるのを防ぎます。これにより、浸透圧による旨味の流出を防ぐだけでなく、氷からの雑菌付着も防ぐことができます。
まとめ:魚の鮮度は、優しく冷やす「ひと手間」で決まる
魚の鮮度を最大限に保つためには、直接的な衝撃を与えず、優しく、そして均一に冷やすことが重要です。


