我々を魅了してやまない身近な大物、チヌ(クロダイ)。
フカセ釣りから落とし込み、ルアーまで、多彩な釣り方で狙える人気のターゲットです。
そんなチヌを狙う中で、こんな経験はありませんか?
「一年中釣れるわけではないが、春になると大型が爆釣するポイント」
「サイズは出ないけど、いつ行っても顔を見せてくれる港の隅」
この違いこそが、チヌの二つの生態、**「居着き」と「回遊」**の違いから生まれる現象なのです。
この二つのタイプを理解し、意識して狙いを定めることで、あなたのチヌ釣りの精度は格段に向上します。
この記事では、「居着きチヌ」と「回遊チヌ」の生態的な違いから、見た目の見分け方、
そして具体的な攻略法までを徹底的に解説していきます!
そもそもチヌ(クロダイ)は「部分的回遊魚」
まず大前提として、チヌは「部分的回遊魚」に分類されます。
これは、同じチヌという魚種の中に、特定のエリアに定着する「居着き」タイプと、
季節や目的(産卵・索餌)に応じて広範囲を移動する「回遊」タイプが混在していることを意味します。
あなたのホームグラウンドにいるチヌは、果たしてどちらのタイプでしょうか?
それぞれの特徴を見ていきましょう。
「居着きチヌ」の特徴と攻略法 | 難攻不落のローカルマスター
まずは、特定の場所に住み着いている「居着き」のチヌです。
居着きチヌの特徴
- 見た目・体色: 全体的に黒っぽい、いぶし銀のような体色。岩や障害物に体をこするため、ヒレが傷んでいたり、体に傷があったりすることも多いです。
- 行動範囲: 非常に狭い。港湾の壁際、橋脚、沈み根、カキ瀬など、身を隠せるストラクチャー周りに定着しています。
- 性格: 非常に用心深く、スレているのが最大の特徴。自分のテリトリーを知り尽くしており、少しでも不自然なエサの動きやラインの存在を嫌います。
- 釣れる時期: 基本的に一年中、同じ場所で狙うことが可能です。
居着きチヌの攻略法
居着きチヌの攻略は、まさに**「知恵比べ」**。一筋縄ではいかないからこそ、釣り上げた時の喜びは格別です。
- アプローチ: とにかくプレッシャーを与えないことが最優先。静かにポイントに立ち、物音を立てないようにします。ハリスを細くしたり、ガン玉の打ち方を工夫したりと、繊細でテクニカルな釣りが求められます。
- エサ: その場所で普段食べているエサ(イガイ、カニ、フジツボなど)に執着している場合があります。エサ取りに強い練り餌や、コーン、サナギなども有効です。
- 狙い目: 変化のある場所を好むため、**「ストラクチャーの際(きわ)」**を徹底的に狙うのが基本。朝マズメや夕マズメ、夜など、警戒心が薄れるタイミングも重要です。
「回遊チヌ」の特徴と攻略法 | 荒食いする旅するアスリート
次に、広範囲を旅する「回遊」のチヌです。
回遊チヌの特徴
- 見た目・体色: 全体的に白っぽく、ヒレの先まで美しい**「銀ピカ」**の魚体。常に泳ぎ回っているため、体高があり筋肉質。傷ひとつない綺麗な見た目をしています。
- 行動範囲: 広い。産卵(乗っ込み)やベイトを追って、群れで広範囲を移動します。
- 性格: 好奇心旺盛で、食い気が非常に高いのが特徴。群れで行動するため、エサの奪い合いも激しく、比較的警戒心が薄い傾向にあります。
- 釣れる時期: 産卵を意識して浅場に入ってくる**「乗っ込み」**の時期である春が代表的。その他、ベイトの接岸に合わせて釣れ盛ることもあります。
回遊チヌの攻略法
回遊チヌは**「タイミングと場所」**が全て。
彼らの通り道で待ち構えることができれば、数釣りや大型連発も夢ではありません。
- アプローチ: マキエで群れを足止めし、いかに自分のサシエに食わせるかが鍵。アピール力の高いマキエでしっかりとポイントを作り、大胆かつ手返しの良い釣りが有効です。
- エサ: オキアミを中心に、アピール力の高いコーンなどを混ぜると効果的。食い気が高いため、あまりエサを選り好みしないことが多いです。
- 狙い目: 潮通しの良い沖の堤防や、サーフ、河口部などがメインポイント。**「群れがいつ、どこを通るか」**という情報の鮮度が釣果を大きく左右します。
一目でわかる!「居着き」と「回遊」の見分け方【比較表】
これまでの特徴を、釣り場で判断しやすいように表にまとめました。
まとめ:居着きと回遊を意識して、チヌ釣りの精度を上げよう!
「今、自分が狙っているチヌはどちらのタイプだろう?」
この問いを頭に浮かべながら竿を出すだけで、あなたのチヌ釣りは大きく変わるはずです。
- ストラクチャーを攻めるなら → 「スレた居着きをどう騙すか」を考える。
- 乗っ込みシーズンに沖堤防へ行くなら → 「回遊してくる群れをどう足止めするか」を考える。
このように、相手のタイプを意識することで、ポイント選びから仕掛け、マキエの撒き方まで、全ての戦略がより明確になります。
ぜひ、次の釣行から「居着き」と「回遊」を意識して、百戦錬磨のチヌとの駆け引きをさらに楽しんでください。


