では、なぜアオリイカは魚ほど臭くないのでしょうか。
答えはシンプルで、臭いの原因となる「トリメチルアミンオキシド(TMAO)」の含有量が、魚に比べて極端に少ないからです。
研究データによると、アオリイカが発生させる匂い成分の量は、一般的な魚の約1/3から1/5程度しかないと言われています。
匂いの元になる物質がそもそも少ないため、鮮度が落ちても魚のような強烈な生臭さにはなりにくいのです。
これが、新鮮なアオリイカが刺身などで美味しく、繊細な甘みと香りを楽しめる理由の一つです。
臭いを発生させない!鮮度を保つための鉄則。
魚の匂いの原因が「鮮度の低下」にある以上、臭いを防ぐには「いかに鮮度を落とさずに持ち帰るか」が重要になります。
- 素早く締めて血を抜く 釣った直後にきっちり締め、血抜きをすることで、微生物の繁殖を遅らせ、血生臭さを防ぎます。
- 徹底的に冷やす TMAを発生させる微生物の活動は、温度が低いほど鈍くなります。 特に、前回の記事でご紹介した「海水氷」を使って0℃以下の環境で冷やすことは、鮮度と味を保つ上で最も効果的な方法です。 真水の氷のように浸透圧で旨味が逃げることもなく、まさに一石二鳥です。
- 魚体を真水に触れさせない クーラーボックス内で溶けた真水に魚が浸かると、雑菌が繁殖しやすくなります。 水が溜まらないようにこまめに排水したり、魚を袋に入れたりする工夫が大切です。
まとめ:正しい知識で、釣果を最高の状態で楽しもう。
- 魚臭さの主な原因は、旨味成分が変化してできる**「トリメチルアミン(TMA)」**。
- アオリイカは、その元となる成分の含有量が魚の1/3〜1/5と非常に少ないため、臭くなりにくい。
匂いの正体を知ることで、なぜ鮮度維持が大切なのかが、より深く理解できたのではないでしょうか。


