はじめに:海水と鉄の関係に潜む科学
「海辺の鉄はすぐ錆びる」とよく言われますが、なぜ海水は鉄の腐食を加速させるのでしょうか?
この記事では、海水による鉄の錆びの科学的メカニズムをわかりやすく解説します。
🧪鉄が錆びる基本原理:酸化還元反応
鉄(Fe)が錆びるとは、酸化鉄(Fe₂O₃など)に変化する腐食反応のこと。これは以下のような酸化還元反応によって進行します:
- 酸化反応: $$\text{Fe} \rightarrow \text{Fe}^{2+} + 2e^-$$ 鉄が電子を放出してイオン化します。
- 還元反応: $$\frac{1}{2}O_2 + H_2O + 2e^- \rightarrow 2OH^-$$ 水中の酸素が電子を受け取り、水酸化物イオンを生成します。
この2つの反応が連動して進むことで、鉄は錆びていきます。
🌊海水が鉄を錆びさせる3つの科学的理由
① 電導度が高い
海水には塩化ナトリウム(NaCl)などの電解質が豊富に含まれており、電気を通しやすい性質があります。
これにより、酸化還元反応がスムーズに進行し、鉄の腐食が加速します。
② 溶存酸素が多い
海水は空気との接触面積が広く、酸素が多く溶け込んでいるため、還元反応が活発になります。
特に波や潮流によって酸素供給が促進されることで、錆びの進行が早まります。
③ 海塩粒子による持続的腐食
海岸では海塩粒子(塩化マグネシウムなど)が金属表面に付着し、潮解性によって常に湿った状態を保ちます。
これが「エバンスサイクル」と呼ばれる腐食ループを生み、錆びが持続的に進行します。
📊最も錆びやすい塩分濃度は「約3%」
意外にも、塩分濃度が高すぎると酸素の溶解度が下がり、腐食速度は低下します。
海水の塩分濃度(約3%)が最も錆びやすいバランスであることが科学的に示されています。
🛠️海辺での鉄の防錆対策
- 防錆塗料の使用
- 亜鉛メッキ(犠牲防食)
- ステンレス鋼や耐候性鋼材の選定
- 定期的な洗浄と乾燥
これらの対策を講じることで、海水による腐食リスクを大幅に軽減できます。
🧭まとめ:海水と鉄の科学的関係を理解しよう
海水による鉄の腐食は、電導度・溶存酸素・海塩粒子という3つの要因が複雑に絡み合って進行します。
科学的な理解を深めることで、釣り具や海辺の建築物の寿命を延ばす知恵が得られるはずです。


