和歌山・南紀地方で釣れる人気魚「ブダイ(地方名:イガミ)」。
地元では定番料理として「煮付け」で食べられますが、家庭によっては 「一度煮てから冷まして食べる」 という習慣もあります。
ところが、この時に「身が硬すぎて箸が折れた!」という経験をした人も少なくありません。
なぜブダイ(イガミ)の煮付けは冷めるとこんなに硬くなるのでしょうか?
本記事では、魚の筋肉構造やコラーゲン、食文化的背景を踏まえながら、釣り人向けに詳しく解説します。
目次
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南紀地方とイガミの食文化
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煮付けを冷ます習慣はなぜある?
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イガミの身が冷めると硬くなる科学的理由
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箸が折れるほど硬い?実際の体験談
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硬くならないための調理ポイント
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まとめ
1. 南紀地方とイガミの食文化
南紀では「イガミ釣り=秋冬の風物詩」。
釣ったその日の晩ご飯に「イガミの煮付け」が食卓に並ぶ家庭は多く、まさに郷土料理の一つです。
新鮮なイガミは白身でクセが少なく、甘辛い煮汁と相性抜群。
観光客にも人気ですが、実際に地元では「冷ましてから食べる」とさらに家庭の味として定着しています。
2. 煮付けを冷ます習慣はなぜある?
南紀の家庭で煮付けを「冷まして食べる」習慣があるのは、次の理由が考えられます。
・煮汁をしっかり染み込ませるため
・翌日以降のおかずにする保存性のため
・熱々よりも味が落ち着いて美味しいと感じるため
この食べ方は南紀独特の家庭文化であり、イガミ煮付けの特徴の一つといえます。
3. イガミの身が冷めると硬くなる科学的理由
では、なぜイガミの煮付けは冷めると硬くなるのでしょうか?
理由は大きく3つあります。
① 筋肉繊維が太く弾力が強い
イガミは藻場を泳ぎ回り、歯で岩肌の海藻を削って食べる魚。
そのため筋肉が非常に発達しており、筋肉繊維が太く締まりやすいのが特徴です。
② コラーゲンがゼラチン化→再凝固
煮付けの加熱中にコラーゲンがゼラチン化し、柔らかくなります。
しかし冷めると再び固まり、身がギュッと引き締まるため硬くなってしまうのです。
③ 水分の保持力が低下する
加熱によって筋肉の水分が抜け、冷めると再吸収されにくくなるため、パサパサ+ゴリゴリした食感になりやすいのです。
4. 箸が折れるほど硬い?実際の体験談
南紀では「イガミの煮付けを翌日に食べたら硬すぎて箸が折れた」という話がよく聞かれます。
これは冗談ではなく、冷めたイガミの身はゴムのように締まり、簡単にほぐれなくなるため、箸先が負けてしまうのです。
地元の人にとっては「あるある」ですが、初めて食べる人は驚く現象です。
5. 硬くならないための調理ポイント
釣り人が美味しくイガミを食べるためのコツは次の通り。
・冷める前に食べる:熱々の煮付けはふんわり柔らかい
・圧力鍋を使う:コラーゲンを完全にゼラチン化させれば、冷めても柔らかめ
・骨付きで煮る:骨周りのゼラチン質でしっとり感を残せる
・鍋にアレンジ:煮付けを翌日に鍋へ再利用すれば柔らかさが戻る
6. まとめ
・イガミ(ブダイ)は南紀地方で煮付けが定番料理
・家庭によっては「冷まして食べる」習慣がある
・冷めると硬くなるのは筋肉繊維・コラーゲン再凝固・水分保持力低下の3つが原因
・その硬さは「箸が折れる」と笑い話になるほど
・美味しく食べるなら「熱々で食べる」「圧力鍋を活用」「翌日は鍋に再利用」がおすすめ


