和歌山をはじめとする磯場で人気のターゲット「イガミ(ブダイ)」。
釣りではホンダワラ(褐藻)を餌として使うのが定番ですが、実際の海中ではどんなものを食べているのでしょうか?
本記事では、イガミの食性を科学的に解説し、ホンダワラの役割や摂取割合について分かりやすくまとめます。
イガミの基本的な食性
イガミはスズキ目ブダイ科に属し、頑丈な歯で岩に付着する海藻をかじり取る「草食性傾向の強い雑食魚」です。
特に沿岸の磯場や藻場に生息し、
・ホンダワラ類(褐藻)
・アオサやウミトラノオなどの緑藻・紅藻類
・岩に付着する微細な藻類(珪藻など)
・小型甲殻類(カニ・エビの稚仔)
・貝類の稚貝
などをバランスよく摂取しています。
ホンダワラの役割と摂取割合
イガミ釣りで使われるホンダワラは、確かに磯の自然環境でも重要な餌資源です。
特に春から初夏にかけてホンダワラが繁茂する時期には、イガミが積極的にかじる姿が確認されています。
しかし、研究例や胃内容物調査によると「ホンダワラ=主食」ではなく、海藻全体の一部を構成する存在です。
年間を通してみると、
・褐藻類(ホンダワラを含む):約30〜40%
・緑藻・紅藻類:20〜30%
・動物性餌(甲殻類・貝・ゴカイなど):20〜30%
・その他(砂中の有機物など):数%
といったバランスになっています。
つまりホンダワラ単独ではイガミの全体食性の約20〜30%程度を占めるにすぎません。
なぜ釣りエサにホンダワラが定番なのか?
釣り人がホンダワラを多用する理由は、イガミが磯場で馴染み深く、かつ食いつきが良いためです。
また、ホンダワラは入手しやすく丈夫なため、ハリ持ちが良く、波に揉まれても落ちにくいのも大きなメリットです。
実際には「ホンダワラしか食べない」わけではなく、カニやエビを餌にしても釣れる場合が
ありますが、狙って数を釣るならホンダワラが最も安定するということです。
季節による食性の変化
・春〜初夏:ホンダワラを中心とした褐藻類の摂取割合が増える
・夏:紅藻・緑藻や小型甲殻類の割合が増える
・秋〜冬:貝類や動物性餌の摂取率がやや上がる
このように季節によって主食が微妙に変化し、ホンダワラは「春の主力餌資源」という位置づけになります。
まとめ
イガミは草食性の強い雑食魚であり、ホンダワラは確かに重要な餌資源ですが、海中での摂取割合は全体の20〜30%ほど。
他にも紅藻・緑藻や小型甲殻類を食べることで栄養バランスを取っています。
釣り餌としてホンダワラが定番なのは、イガミの嗜好性に加え、ハリ持ちや入手のしやすさなど実用的な理由があるからです。
季節ごとの食性変化を理解すれば、より効率的にイガミ釣りを楽しむことができるでしょう。


