和歌山・南紀エリアでは、古くから イガミ(ブダイ類) が親しまれてきました。
煮付けや塩焼きはもちろん、冬場は脂が乗り、地元の食卓には欠かせない存在です。
そんなイガミ釣りに欠かせないのが ホンダワラ(褐藻の一種)。
しかし近年、このホンダワラが「ほぼ入手不可能」とまで言われる状況になっています。
なぜホンダワラが減ってしまったのか?
その理由を、環境変化と地域漁業の視点から解説します。
イガミ釣りとホンダワラの関係
・イガミは草食性が強い魚で、岩礁帯や海藻帯に多く生息。
・特にホンダワラを好んで食べるため、昔から「ホンダワラ=イガミ釣りの必須エサ」とされてきました。
・新鮮なホンダワラをエサにすれば食いが良く、狙った釣果を得やすいと知られています。
しかし、この「黄金コンビ」は近年崩壊しつつあります。
ホンダワラが入手困難になった理由
① 海水温の上昇(地球温暖化)
・南紀の海水温は年々上昇傾向にあり、夏場には30℃近くなることも。
・ホンダワラなどの褐藻は冷たい海を好むため、高水温に弱く衰退。
・特に黒潮の影響が強い和歌山沿岸では、昔は豊富にあった藻場が激減しています。
② 磯焼けの進行
・「磯焼け」とは海藻が消え、岩場がむき出しになる現象。
・主な原因は、アイゴ(バリコ)やウニなど海藻を食べ尽くす生物の増加。
・南紀でもアイゴの大発生により、藻場が回復できない状態が続いています。
👉 ホンダワラが成長する前に食べ尽くされ、資源が再生できない悪循環。
③ 沿岸環境の変化
・埋め立てや港湾整備によって、浅瀬の藻場が減少。
・河川から流れ込む栄養塩も減り、ホンダワラの成長環境が悪化。
・結果として「採りに行っても見つからない」状態が続いています。
④ 漁業規制と採集困難
・海藻類の採集には漁業権が絡むこともあり、個人が勝手に大量採取するのは困難。
・昔は釣具店でホンダワラを扱っていた地域もありましたが、現在はほぼ流通していません。
代用エサの登場
ホンダワラが手に入らない今、釣り人は代替エサを使うようになっています。
・キャベツやレタスなどの野菜類
・市販の海藻加工エサ
・他の褐藻類
ただし、食いつきや釣果はホンダワラに劣る場合が多く、ベテラン釣り師からは「やはり本物のホンダワラには敵わない」との声が根強いです。
まとめ
南紀で重宝されるイガミ釣りですが、主役エサのホンダワラは
・海水温上昇
・磯焼け
・沿岸環境の変化
・漁業規制
といった要因により、今では「ほぼ入手不可能」となっています。
そのため、釣り人は代用エサを工夫しながらイガミを狙っているのが現状です。


