釣り人や魚好きの間でよく語られる「マグロは泳ぎを止めると死ぬ」という話。
これは都市伝説ではなく、実際に大きな意味で“正解”です。
しかし、理由を正しく理解している人は意外と少ないので解説していきます。
1. マグロの呼吸と体の仕組み
・多くの魚はエラを動かして水を口から取り込み、酸素を取り入れます。
・ところがマグロは「ポンプ呼吸」がほとんどできません。
・代わりに「ラム換水」と呼ばれる仕組みを利用します。
つまり、口を開けて泳ぐことで水流をエラに送り込み、酸素を取り込むのです。
そのため、泳ぎ続けて水流を作らないと、呼吸が止まり窒息してしまいます。
これが「泳ぎを止めると死ぬ」と言われる最大の理由です。
2. マグロが泳ぎ続けるもう一つの理由
・マグロは恒温性に近い魚で、体温を周囲より高く保てます。
・その代謝は非常に高く、酸素消費量も他の魚の数倍。
・筋肉を絶えず動かし続けることで、体温や代謝を維持しています。
つまり、呼吸だけでなく代謝の観点からも「止まれない魚」なのです。
3. 水槽での飼育が難しい理由
水族館でマグロを展示するのは非常に難しいとされています。
・泳ぎ続けるため、巨大な回遊水槽が必要。
・壁に衝突しやすく、ケガやストレスで死んでしまう。
・酸素要求量が高く、水質維持が大変。
そのため、国内でもマグロ展示に成功している水族館はごくわずかです。
例えば和歌山の「串本海中公園」や東京の「葛西臨海水族園」は、技術と巨大水槽で飼育に成功した事例として有名です。
4. マグロと似た性質を持つ魚
実はマグロだけでなく、カツオも同じ仕組みを持っています。
カツオも泳ぎを止めると呼吸ができないため、常に回遊し続けます。
逆に、ほとんどの魚はエラ蓋を動かして水流を作れるため、止まったままでも呼吸可能です。
マグロやカツオが特別なのです。
5. 釣り人視点での豆知識
・マグロは回遊性が強く、沿岸に来るのは一時的。
・泳ぎ続ける性質ゆえ、常に餌を追いかけ、非常に活発。
・その運動量の多さが「身の締まり」「脂のノリ」に直結しています。
つまり「泳ぎ続ける=死ぬ」ではなく、「泳ぎ続ける=美味しくなる体質」とも言えるのです。
まとめ
マグロは泳ぎを止めると死ぬと言われるのは事実であり、その理由は
・エラ呼吸が水流に依存しているため
・高代謝を維持するため常に動き続ける必要があるため
という2点にあります。
この特性は、マグロの生態を知る上で欠かせないポイントです。
さらに、その運動量が「世界中で愛される美味しい魚・マグロ」を作り上げているのです。


