魚の繁殖戦略は多様ですが、共通しているのは「大量の卵を産む」という点です。
その理由は単純で、自然界では卵や稚魚の段階でほとんどが天敵に食べられてしまうから。
では実際に、魚はどれくらいの卵を産み、そのうちどれほどが成魚に成長できるのでしょうか。
本記事では、魚種ごとの産卵数、生存率の目安、そして繁殖戦略の違いについて解説します。
魚の産卵数の目安
小型回遊魚(イワシ・サバなど)
・イワシ:約5万〜20万粒
・マイワシは沿岸で群れを成して産卵し、海流に乗って分散する
中型魚(アジ・タイなど)
・マアジ:約5万〜10万粒
・マダイ:約30万〜100万粒
・クロダイ:約20万〜50万粒
大型魚(ブリ・マグロなど)
・ブリ:約100万〜200万粒
・マグロ類:数百万粒以上(体長に比例して増加)
高級魚(クエ・ハタ類)
・数十万粒程度とされるが、体が大きい割に産卵数は少なめ
・その代わり、口内保育や隠れ場所に産卵するなど「守る戦略」をとる場合がある
生存率はどれくらい?
魚の卵や稚魚は外敵に狙われやすく、自然状態で 成魚にまで成長する割合は0.1〜1%未満 と言われます。
具体的な例
・マイワシ:10万粒の卵 → 成魚になるのは数十匹程度
・マダイ:100万粒の卵 → 成魚まで生き残るのは数百匹以下
・ブリ:200万粒の卵 → 成魚になるのはごくわずか
生存率を下げる要因
・外敵(魚、クラゲ、甲殻類、鳥類)に食べられる
・海流や波で流されて餌にたどり着けない
・環境変化(酸素不足、水温変動)
卵の数と生存率の関係
魚の繁殖には大きく分けて2つの戦略があります。
① 多産少育型
・イワシやサバなど、大量の卵を産みっぱなしにする戦略
・「数撃てば当たる」方式で、成長できるのはごく一部
② 少産多育型
・アロワナやシクリッド、クエなど、卵の数は少なくても親が保護する戦略
・口内保育や岩陰への産卵で、卵や稚魚の生存率を数十倍に高める
人間の漁業と資源管理の視点
・卵を大量に産んでも、資源量は環境に左右されやすい
・産卵期に乱獲されると資源回復に大きな影響が出る
・漁業資源管理では「産卵親魚量(SSB)」が重視されており、一定の親魚が残るように調整されている
まとめ
・魚の産卵数は種類によって数万〜数百万粒と幅広い
・自然状態では卵のうち 0.1〜1%未満 しか成魚になれない
・小型回遊魚は「多産少育型」、一方でアロワナやハタ類は「少産多育型」戦略をとる
・釣りや漁業においても、繁殖戦略や産卵数を知ることで資源保護の重要性が見えてくる


