1. はじめに
アオリイカといえば、後ろ向きに素早く泳ぐ「ジェット後退」が有名です。
多くの釣り人が「イカは後ろにしか進めない」と思っていますが、実はこれは誤解。
アオリイカはゆっくりとした前進も可能なのです。
この事実を知っているかどうかで、釣り方やエギの操作方法も変わります。
今回は、アオリイカの前進能力と、その釣りへの活かし方を詳しく解説します。
2. アオリイカの基本的な移動方法
アオリイカの移動は大きく分けて2種類あります。
・ジェット後退(高速移動)
漏斗(ろうと)と呼ばれる器官から海水を勢いよく噴射して、後ろ向きに瞬時に移動します。
これは逃げる時や獲物を追い詰める際に使う、スピード重視の移動方法です。
・ヒレによる推進(スロー前進)
外套膜(胴体)の両側にあるヒレを波打たせることで、ゆっくりと前進します。
この時はほとんど水を噴射せず、静かに移動できるため、獲物や外敵に気づかれにくいのが特徴です。
3. なぜ前進が必要なのか?
・捕食時の間合い詰め
エサとなる小魚やエビに対して、急にジェット後退を使うと警戒されるため、ゆっくり前進で距離を詰めることがあります。
・ホバリング状態からの微調整
海中で浮いたままの姿勢を維持しつつ、少しずつ接近してチャンスをうかがう行動は前進能力があってこそ可能です。
・省エネ行動
ヒレでの推進はジェット移動よりエネルギー消費が少なく、長時間の移動や待ち伏せに適しています。
4. 釣り人が知るべき「前進行動」の活用法
エギングの場合
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アオリイカがエギの後方からゆっくりついてくる時は、この前進モードで接近している可能性が高いです。
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そのため、シャクリ後のステイ時間を長くすることで、イカが間合いを詰める時間を確保できます。
ヤエン釣りの場合
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アジを追ってきたアオリイカが、すぐには抱かずに後方から少しずつ近づくことがあります。
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焦って仕掛けを動かすより、アタリ後にしばらく間を置くことで、しっかりと抱かせられます。
5. 前進できることを知らないと損する理由
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「後ろにしか動けない」と思い込んでいると、エギやアジの動きに対して間違った演出をしてしまう。
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前進はとても静かで水流も少ないため、見えている距離よりも早く接近されていることに気づきにくい。
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これを理解すれば、“抱かせる間”の重要性が実感でき、釣果アップにつながります。
6. まとめ
アオリイカは確かに高速ジェット後退で逃げるのが得意ですが、
ヒレを使った前進で静かに接近することもできる生き物です。
この動きは釣り人の目には見えにくいですが、理解しておくことで釣り方の引き出しが増えます。
次回の釣行では、アオリイカの前進行動を意識しながら誘いを組み立ててみてください。


