釣り人なら誰もが一度は思ったことがあるでしょう。
「同じ魚種なのに、あの人が釣った魚のほうが美味しいのはなぜ?」と。
その答えはシンプルです。
魚の味は“釣った瞬間の処理”で決まるからです。
魚は水揚げ直後から劣化が始まります。
特に、釣り上げてそのまま放置する「野締め」は、魚の美味しさを最も損なう行為です。
一方で、締め処理・血抜き・海水氷での冷却の3ステップを行えば、旨味を20〜40%もアップさせることができます。
本記事では、この科学的な理由と、釣り人が実践できる具体的な処理方法を解説します。
1. 魚は釣った瞬間から劣化が始まる
魚は生きた状態から死に向かう過程で、体内でさまざまな変化が起こります。
釣り上げ後の処理が遅れると、以下の問題が発生します。
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乳酸の蓄積:暴れることで筋肉に疲労が溜まり、身が硬くなる
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血液の酸化:血が残ることで臭みが出る
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細菌の繁殖:常温放置で菌が増え、腐敗臭や食感の劣化につながる
特に、魚をバケツやクーラーに生かしたまま放置(野締め)するのはNG。
強いストレスを与え、血液が全身に回り、魚体が焼けたような色になりやすくなります。
2. “締め処理”で旨味を逃さない
釣った直後に**活け締め(脳天締め・神経締め)**を行うと、魚は苦しまずに安らかに絶命します。
これにより、乳酸の発生を抑え、死後硬直を遅らせる効果が期待できます。
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活け締めのメリット
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身が硬くなりにくい
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血がきれいに抜けやすい
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旨味成分が保持される
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活け締めができるだけで、同じ魚でも食感や香りが大きく変わります。
3. “血抜き”で雑味を防ぐ
魚の臭みの多くは血液由来です。
血抜きをしないと、酸化によって鉄っぽい匂いや生臭さが残ります。
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方法:エラや尾の付け根を切り、海水で循環させながらしっかり排血する
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ポイント:淡水ではなく海水を使用することで、浸透圧差による水っぽさを防ぐ
血抜きが行われた魚は、色つやが良く、透明感のある刺身に仕上がります。
4. “海水氷”で一気に冷却
魚の体温は人間より高いことがあります。
常温で放置すると菌が爆発的に増殖し、わずか数時間で劣化が進みます。
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真水氷の問題点
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淡水が魚体に浸透し、旨味が流出しやすい
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身が柔らかくなり、水っぽい味になる
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海水氷の利点
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魚の体液と近い塩分濃度で、身を傷めず急速冷却
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0〜2℃の低温を安定保持
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雑菌繁殖を最小限に抑えられる
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この処理を行うだけで、食中毒リスクを下げ、味を20〜40%改善できます。
5. 3ステップを守れば、釣り魚は“店では買えない味”に
釣った魚を本当に美味しく食べるには、次の手順を徹底しましょう。
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活け締め(脳天締め・神経締め)で苦しませない
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海水を使った血抜きで雑味を防ぐ
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海水氷で素早く冷却し、劣化を抑える
この3ステップを守れば、同じ魚でも味の差は歴然。
旨味は最大で40%アップし、刺身でも焼き魚でも格段に美味しく仕上がります。
まとめ
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魚の味は“鮮度が良い”だけでは決まらない
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釣った瞬間の処理が美味しさのカギ
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野締め放置は最も魚を不味くする行為
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締め処理・血抜き・海水氷の3ステップで、旨味を20〜40%向上
釣果をより価値ある一匹に変えるのは、釣り人の手にかかっています。
次の釣行からは、この3ステップをぜひ習慣化してください。
釣り魚の真のポテンシャルを味わえること間違いなしです。


