以下に部位ごとの特徴と劣化の理由を解説します。
1. 皮・表面
・イワシの皮は非常に薄く、ウロコも小さいため、傷つきやすい。
・輸送や水揚げの際にわずかな衝撃で表皮が剥がれ、細菌の侵入や酸化が進みやすくなる。
・皮下の脂質が空気に触れることで酸化が急速に進み、臭みや変色の原因になる。
2. 筋肉(身の部分)
・イワシは脂肪分が非常に多い魚で、特にEPA・DHAなど不飽和脂肪酸が豊富。
・この脂肪は酸化しやすく、空気や光、温度変化で劣化が早まる。
・死後硬直が早く始まり、持続時間も短い魚のため、釣獲から数時間で旨味成分(ATP)が急激に減少する。
3. 内臓
・イワシの内臓は消化酵素が強力で、死後も自己消化が早く進む。
・特に腸内細菌や消化液が身に回りやすく、内臓破れが起きると一気に鮮度が落ちる。
・内臓脂肪も酸化しやすく、臭みの原因となる。
4. 血合い(赤身部分)
・イワシは赤身魚で血合いが多く、酸化・変色しやすい。
・血液やヘモグロビンが酸素と反応して茶色く変色し、風味が劣化する。
・温度管理が甘いと、数時間で血生臭さが出やすい。
5. なぜ氷漬けが必須か?
・高脂肪・薄皮・自己消化が早いという三重の要因があるため、常温ではすぐに劣化する。
・氷漬けで0℃近くに保つことで、細菌の繁殖や酵素反応を抑えることができる。
・水揚げ直後からセリ直前まで氷に漬けておかないと、数時間で商品価値が下がる。


