【徹底比較】ガザミ(ワタリガニ)とタイワンガザミ(青)|見分け方から美味しい食べ方まで網羅!

はじめに:日本の食卓を彩るワタリガニの魅力

日本の豊かな海で獲れるカニの中でも、その身の甘さと濃厚なカニ味噌で多くの美食家を唸らせるのが「ワタリガニ」です。

特に、古くから親しまれている「ガザミ」と、近年漁獲量が増加している「タイワンガザミ」は、

見た目も味わいも似ているため、「違いが分からない」「どちらを選べばいいの?」という声もよく聞かれます。

この記事では、そんなガザミとタイワンガザミの見分け方、特徴、旬、そして最高の食べ方まで、徹底的に解説します。

ワタリガニをより深く知り、食卓で最大限に楽しむための情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください!

1. ガザミ(ワタリガニ)とは?日本の代表的なワタリガニ

「ワタリガニ」と聞いて多くの方が想像するのが、このガザミでしょう。

正式名称は「ガザミ」ですが、その泳ぐ姿から「ワタリガニ」の通称で広く知られています。

ガザミの主な特徴

  • 甲羅の色と模様: 黄褐色を基調とし、甲羅の後半部分やハサミ、脚には青みがかった部分が見られます。また、白い水玉模様があるのも特徴です。
  • 甲羅の形: 横長の六角形で、前縁にはギザギザのトゲが並び、左右に大きなトゲが突き出ています。
  • ハサミ: 頑丈でトゲが多く、非常に挟む力が強いので、生体を扱う際には注意が必要です。
  • 遊泳脚: 後ろから2番目の脚(第5脚)が平たいオール状になっており、これを巧みに使って水中を泳ぎ渡ります。この特徴が「ワタリガニ」と呼ばれる所以です。
  • 大きさ: 甲幅が15cmを超える大型になることもあり、オスの方がメスよりも大きくなる傾向があります。
  • 生息地: 日本各地の沿岸部に広く生息しています。砂に潜って目だけを出すことも多く、敵から身を守ります。

ガザミの旬と味

ガザミの旬は秋から冬とされていますが、温暖な西日本では真冬でも漁獲されます。

地域によっては6~7月を旬とする場合もあり、この時期のオスは身が引き締まり、旨みが強いと言われています。

産卵前のメスは「内子(うちこ)」と呼ばれる濃厚な卵巣を持っており、絶品です。

2. タイワンガザミ(青)とは?南方系のワタリガニ

近年、西日本から関東沿岸へと勢力を拡大しているのが、南方系の大型カニであるタイワンガザミです。

その鮮やかな色彩から「アオデ(青手)」や「オイラン(花魁)」とも呼ばれ、特にオスは「青ガニ」の愛称で親しまれています。

タイワンガザミの主な特徴

  • 甲羅の色と模様: オスは鮮やかな青色に白い不規則な模様が目立ち、非常に美しいです。一方、メスはガザミとよく似た暗緑色で、細かい顆粒状の模様が甲羅全体に広がる傾向があります。
  • 甲羅の形: 横長の六角形に近い形状で、甲羅の前縁には4本の歯があり、外側の2本が内側の2本より小さいのが特徴です(ガザミは3本で中央が大きい)。
  • ハサミ: ガザミと同様に強く、アサリなどの貝類を割って捕食します。
  • 遊泳脚: ガザミと同様に平たいオール状の遊泳脚を持ち、活発に泳ぎます。
  • 大きさ: 甲幅は最大で15cm程度になります。オスの方がメスより大きくなります。
  • 生息地: 比較的暖かい海域を好み、西太平洋、インド洋、紅海、地中海まで広く分布しています。東京湾などでは近年、ガザミに代わって本種が多く見られるようになっています。

タイワンガザミの旬と味

タイワンガザミの旬は、オスとメスで異なります。

  • オス: 6〜7月頃が旬で、身詰まりが良く、特に肩の部分の身は甘みが強いとされています。
  • メス: 内子(卵巣)が成熟する11〜12月頃が旬で、チーズのような濃厚な味わいが楽しめます。脱皮が盛んな夏場は身入りが良くないことがあるため、「月夜の蟹(身入りが悪い)」という慣用表現もこの時期を指すと言われています。

3. ガザミとタイワンガザミ、ここが見分けのポイント!

見た目が似ているガザミとタイワンガザミですが、いくつかのポイントを押さえれば簡単に見分けることができます。

3-1. オスを見分ける場合

  • タイワンガザミ: オスは甲羅や脚に鮮やかな青色と白い模様がはっきりと見られるため、判別が非常に容易です。
  • ガザミ: オスも青みがかった部分があるものの、タイワンガザミほど鮮やかではありません。

3-2. メスを見分ける場合(ここが難しい!)

メスはどちらの種も茶褐色系でよく似ていますが、以下の点に注目してください。

  • ハサミの付け根のトゲの数:
    • ガザミ: ハサミの付け根の長い節にあるトゲが4~5本
    • タイワンガザミ: ハサミの付け根の長い節にあるトゲが3本
  • 甲羅前縁の歯の形状:
    • ガザミ: 甲羅の前縁に3本の歯があり、中央が比較的大きい。
    • タイワンガザミ: 甲羅の前縁に4本の歯があり、外側の2本に比べて内側の2本は小さい。

3-3. 全体的な印象

  • ガザミ: 全体的にやや地味な黄褐色〜緑褐色。
  • タイワンガザミ: 特にオスは、その鮮やかな青色が目を引きます。

4. 最高に美味しい食べ方!

どちらのワタリガニも、その濃厚な旨みを最大限に引き出す食べ方があります。

共通の美味しい食べ方

  • 茹でる・蒸す: これが最もシンプルで、カニ本来の甘みと風味を堪能できる方法です。活きたカニを水氷で締めてから茹でる(約15分)か蒸す(約10分)と、脚が自切しにくく、身も美味しく仕上がります。塩分濃度は海水程度(約3%)が目安です。
  • 味噌汁・鍋: 小型のものや、野締め(漁獲後に死亡したもの)は味噌汁にすると、カニから出る極上の出汁が楽しめます。ぶつ切りにして味噌を溶くだけでも絶品です。
  • ケジャン(韓国風漬け込みガニ): 醤油ベースのカンジャンケジャンや、唐辛子ベースのヤンニョムケジャンなど、漬け込んで食べる方法も人気です。

食べ方のワンポイントアドバイス

  • 内子を楽しむならメスを!: 特に旬のメスガニに詰まった濃厚な内子は、茹でたり蒸したりしてそのまま食べるのがおすすめです。
  • 身を楽しむならオスを!: 身詰まりの良い旬のオスは、ハサミ脚などにぎっしり詰まった筋肉の甘みがたまりません。

5. ワタリガニを選ぶ際のポイントと注意点

美味しいワタリガニを選ぶためには、以下の点に注目しましょう。

  • 重さ: 手に持ったときにずっしりと重いもの。これは身がぎっしり詰まっている証拠です。
  • 活きの良さ: 可能であれば活きたワタリガニを選びましょう。口の周りが黒ずんでおらず、甲羅の真ん中を押して硬いものが良いです。
  • 殻の状態: 殻に傷や黒ずみが少なく、艶があるものが新鮮です。
  • 脚の揃い具合: 脚がすべて揃っていて、しっかりと付いているものを選びましょう。

活けガニの扱い方

活きたカニを調理する際は、噛みつかれないよう注意が必要です。

調理前に氷水で締めるか、口からアイスピックなどを刺し入れて脳を壊すと、暴れるのを防ぎ、脚が落ちることなく茹で上がります。

まとめ:ワタリガニの奥深い世界を堪能しよう

ガザミとタイワンガザミは、それぞれ異なる特徴と魅力を持つワタリガニです。

オスとメス、旬の時期によっても味わいが変わるので、それぞれの特徴を知ることで、

ワタリガニの奥深い世界をより一層楽しむことができるでしょう。

【徹底比較】ガザミ(ワタリガニ)とタイワンガザミ(青)|見分け方から美味しい食べ方まで網羅!釣太郎

 

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