釣り人なら一度は耳にしたことのある「海水氷」。
「氷なら何でも冷えるから、真水の氷で十分じゃないの?」
そう思っていませんか?
実は、海水氷と真水氷では、魚の鮮度に雲泥の差が出ます。
特に**夏場の釣りでは、海水氷こそが“命を守る冷却材”**と言っても過言ではありません。
この記事では、「なぜ海水氷が魚にやさしいのか?」「なぜ夏場は特に有効なのか?」を
わかりやすく解説していきます。
海水氷とは?
海水氷とは、海水をそのまま凍らせた氷のこと。
釣り場の海水、またはそれに近い塩分濃度(約3.5%)の水を凍らせたものです。
真水氷と比べて
・融けた後も塩分濃度が一定
・魚の体表の浸透圧バランスが崩れにくい
といった大きなメリットがあります。
真水氷が魚に与える「ストレス」
海の魚は、もともと海水という塩分環境で生きています。
その魚を、真水氷で一気に冷やすと……
・浸透圧の急激な変化で体表のぬめり(粘液)が破壊
・ウロコが浮く、目が濁る、皮膚が変色
・細胞が膨張→ドリップ(血水)が出やすくなる
こうした症状は、魚の「ストレス反応」ともいえます。
特に真夏は水温と外気温が高く、氷との温度差も大きいため、ダメージが加速します。
海水氷が魚にやさしい3つの理由
① 浸透圧の変化が少ない
海水氷は海水と同じ塩分濃度なので、魚の体表のバリア(粘液)が保たれます。
その結果、ウロコや皮膚が荒れにくく、美しい状態を保てるのです。
② ドリップ(血水)を防ぐ
真水氷で急激に冷やすと、細胞内の水分が膨張し、細胞膜が破れてドリップが発生。
一方、海水氷では細胞の破壊が抑えられ、血がにじみにくいため、魚の旨みも逃げません。
③ 鮮度が長持ち
海水氷に漬けておくと、死後硬直のスピードがゆるやかになり、時間をかけて熟成できます。
これにより、身が締まりつつも、食感と味が高レベルで維持されるのです。
特に「夏場」に海水氷が有効な理由
● 高水温=雑菌の繁殖スピードが加速
真夏の釣り場では、水温が28〜30℃以上になることもあります。
この温度帯は、腸炎ビブリオなどの菌が爆発的に増える温度域。
魚の体温を素早く下げて、腐敗と食中毒のリスクを抑えるには、最初の冷却がカギになります。
● 海水氷の方が「冷却効果が持続」
塩分を含む海水氷は、マイナス1〜2℃でも溶けにくい特性があります。
つまり、冷却効果が長持ちしやすく、クーラー内の温度が安定します。
● 体表の傷みが見た目に出やすい
夏場は魚の皮膚が弱くなり、少しの刺激でドロッとした見た目になりがち。
海水氷なら、魚の表面に余計な負荷をかけず、刺身映えする美しさをキープできます。
実際に使ってみよう!海水氷の作り方
自宅でも簡単に海水氷を作れます。
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釣り前にペットボトルに海水を詰めて凍らせる
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氷点下でも破裂しにくい容器を使用
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市販の塩を加えた水でも代用可(目安:塩3.5%)
※釣具店で「海水氷」を販売しているところもあります。
まとめ|海の魚は海の氷で守るのが正解
釣った魚は命そのもの。
美味しく、そして安全にいただくためには、釣った瞬間からの“冷却”が勝負です。
真水氷ではなく、海水氷を使うことで、魚本来の鮮度・美しさ・味わいをキープできます。
特に暑い夏場は、腐敗防止と食中毒対策の面からも、海水氷が必須。
ぜひ次回の釣行では、海水氷を準備してみてください。
魚も、自分も、きっと守られるはずです。


