スーパーや寿司店で人気の魚といえば、マグロとサーモン。
どちらも赤っぽい身をしていて「赤身の魚」として扱われることもありますが、
実はこの2つ、見た目が似ているだけでまったく異なる魚です。
ではなぜ、どちらも赤っぽい身をしているのに、性質も栄養も食感も違うのでしょうか?
今回はその理由を、魚の生態や筋肉構造、栄養成分まで含めて徹底解説します。
そもそも「赤身魚」とは?
魚の「赤身」「白身」の違いは、筋肉の色と性質の違いにあります。
その鍵となるのが以下の2つの要素です。
・ミオグロビン(myoglobin):酸素を筋肉内に蓄えるたんぱく質
・アスタキサンチン(astaxanthin):海老やオキアミなどを食べた魚の身に蓄積される色素
この2つが「マグロ」と「サーモン」で大きく違うのです。
マグロの赤さの理由:ミオグロビンが豊富
マグロは代表的な「赤身魚」であり、全身が赤い筋肉で構成されています。
その理由は、以下のような特性にあります。
■ 特徴
・常に高速で泳ぎ続ける大型回遊魚
・酸素を大量に必要とする持久運動型の魚
・筋肉にミオグロビンを多く含む → 血のように濃い赤身になる
■ 栄養面
・タンパク質が豊富
・鉄分(ヘム鉄)も豊富
・DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸も含むが、トロ以外は脂質控えめ
サーモンの赤さの理由:アスタキサンチンによるもの
サーモン(主に養殖のアトランティックサーモン)は、見た目は赤身でも分類上は白身魚です。
ではなぜ赤いのか? それは食べているエサが関係します。
■ 特徴
・もともとは白身の筋肉を持つ魚
・エビやオキアミなどの甲殻類を餌にして育つ
・その色素「アスタキサンチン」が筋肉に沈着 → ピンク~オレンジ色の身になる
※養殖サーモンには人工的にアスタキサンチンが添加された飼料が使われます。
■ 栄養面
・脂質が非常に多く、濃厚でまろやかな味
・ビタミンDやアスタキサンチンによる抗酸化作用が強い
・DHA・EPAも豊富だが、脂質全体が多い傾向
比較表:マグロ vs サーモン
| 項目 | マグロ | サーモン |
|---|---|---|
| 身の赤さの理由 | ミオグロビン(持久運動型筋肉) | アスタキサンチン(色素沈着) |
| 分類 | 赤身魚 | 白身魚(見た目は赤い) |
| 食感 | しっとり・締まりあり | トロッと脂が多い |
| 脂質量 | 中~少(部位による) | 多い(特に養殖) |
| 主な栄養素 | タンパク質、鉄分、DHA | ビタミンD、アスタキサンチン、DHA、EPA |
| 味の傾向 | 旨味が濃い、あっさりめ | 濃厚、クリーミーな甘み |
| 使われる料理 | 刺身、寿司、漬け、丼 | 刺身、カルパッチョ、ムニエル |
結論:赤く見えても中身はまるで別物!
・マグロの赤は「運動のために筋肉に蓄えた酸素」由来
・サーモンの赤は「食べ物の色素が身に沈着」したもの
つまり、赤く見えても「筋肉の種類・脂質・栄養素・味」すべてが違います。
料理に使う際も、マグロはあっさり系に、サーモンは濃厚な洋風アレンジに向いています。
まとめ
・マグロは本物の赤身魚、サーモンは白身魚だけど赤く見えるだけ
・赤さの理由は「ミオグロビン」と「アスタキサンチン」の違い
・味や食感もまるで別物
・両者の違いを知ると、料理の幅が広がる!


