春と秋、日本の食卓に並ぶ「カツオ」。
実はこの時期によって味も脂ものり方もまったく違う魚になります。
それが 「初ガツオ（はつがつお）」 と 「戻りガツオ」。
同じカツオなのに、なぜここまで違いが出るのか？
今回は釣り人にも役立つ豆知識を交えながら、わかりやすく徹底解説します！
そもそもカツオとはどんな魚？
・サバ科カツオ属の回遊魚
・暖かい黒潮に乗って春から秋にかけて日本沿岸を移動
・一年で南北を大移動するため、漁期によって体の状態が激変
この回遊パターンが「初ガツオ」と「戻りガツオ」の違いを生む大きな要因です。
初ガツオ（春カツオ）とは？
【漁期】
・主に 3月〜6月頃
・黒潮に乗って南から北上し始めたカツオ
【特徴】
・北上を始めたばかりのため、脂はまだ少ない
・赤身が濃く、筋肉質で身が締まっている
・さっぱりとした味わい
【食味】
・あっさりした赤身の旨み
・ポン酢や薬味をたっぷり使った「たたき」が人気
・食欲が落ちがちな春でも食べやすい爽やかさ
【メリット】
・新鮮な赤身ならではの旨み
・脂が少ない分、ヘルシー志向の人に人気
・釣りたては透明感があるほどの鮮度を楽しめる
戻りガツオ（秋カツオ）とは？
【漁期】
・主に 9月〜11月頃
・北の海でたっぷり餌を食べ、南下する途中に獲れる
【特徴】
・身に脂がしっかり乗っている
・皮下脂肪が厚く、トロのような食感
・赤身というより半分白身のように感じるほど
【食味】
・濃厚なコクと旨み
・脂の甘さが口いっぱいに広がる
・刺身、寿司、炙りで最高の味わい
【メリット】
・カツオとは思えないほどの濃厚さ
・脂好きの人に圧倒的な人気
・高級寿司店でも秋の戻りガツオは重宝される
初ガツオ vs 戻りガツオ 比較表
| 比較項目 | 初ガツオ（春） | 戻りガツオ（秋） |
|---|---|---|
| 旬の時期 | 3月〜6月 | 9月〜11月 |
| 脂の乗り | 少ない（あっさり） | 多い（濃厚） |
| 味わい | さっぱり爽快 | 濃厚でとろける |
| おすすめ料理 | たたき・刺身 | 刺身・炙り・寿司 |
| カロリー | 低め | 高め |
| 食感 | 筋肉質で引き締まり | もっちり濃厚 |
同じカツオでもここまで違う理由
実は違いの正体は 回遊ルートとエサ にあります。
・春：南の暖かい海から北上したばかり → まだエネルギー消費が少なく脂も少ない
・秋：北の豊富なプランクトン・小魚をたっぷり食べ、冬に備えて脂肪蓄積 → 脂ノリ最高
この自然のサイクルが、同じカツオでもまったく異なる「味の個性」を生み出します。
釣り人目線での注意点
釣り上げたカツオは鮮度が命。
以下のポイントを守ると美味しさが激変します。
・釣り上げ後すぐの血抜き
・内臓処理を早めに
・海水氷で急冷（真水氷はNG！浸透圧で身質悪化）
・なるべくその日のうちに食べる
脂の多い戻りガツオほど鮮度劣化が早いので注意が必要です。
結論：どちらが美味しいのか？
**「好みによる」**が結論です。
・あっさり派 → 春の初ガツオ
・脂ノリ派 → 秋の戻りガツオ
・釣り人 → どちらも新鮮なら極上
料理法やその日の気分によって選ぶのが正解です。
まとめ
・同じカツオでも春（初ガツオ）と秋（戻りガツオ）で味が大きく異なる
・脂の量・食感・料理法が変わるのは回遊ルートと餌が影響
・釣り人は鮮度管理を徹底すればどちらも絶品
旬のカツオを上手に楽しみ、美味しさを最大限に味わいましょう！
