■ 生き残るのはほんのわずか。海の命は「多産多死」が基本
海の魚たちは、毎年驚くほど大量の卵を産みます。
しかし実際に成魚まで生き残れるのは、ほんのわずか。
今回は釣り人にも馴染み深い14種の魚・イカについて、孵化から成魚になる確率を徹底比較します。
■ 魚種別 生存確率一覧
| 魚種 | 産卵数(目安) | 生存率(孵化→成魚) |
|---|---|---|
| マグロ(クロマグロ) | 500万〜1000万個 | 0.0001〜0.001% |
| カツオ | 100万〜200万個 | 0.0005〜0.005% |
| ブリ(ハマチ) | 100万〜300万個 | 0.001〜0.01% |
| ヒラメ | 30万〜100万個 | 0.01〜0.05% |
| マアジ | 30万〜100万個 | 0.001〜0.02% |
| サバ(マサバ) | 500万〜1000万個 | 0.0005〜0.005% |
| カマス(ヤマトカマス) | 10万〜50万個 | 0.005〜0.05% |
| タチウオ | 50万〜150万個 | 0.001〜0.01% |
| ガシラ(カサゴ) | 1万〜10万個 | 0.01〜0.1% |
| イワシ(マイワシ) | 500万〜1000万個 | 0.0001〜0.001% |
| シロギス(キス) | 1万〜10万個 | 0.01〜0.1% |
| クロダイ(チヌ) | 20万〜100万個 | 0.005〜0.02% |
| グレ(メジナ) | 20万〜100万個 | 0.005〜0.02% |
| アオリイカ | 5000〜5万個 | 0.01〜0.05% |
■ 魚種によってなぜ生存率が違うのか?
● ① 卵の数と浮遊期間
卵を大量に産む魚ほど、捕食圧が強く生存率は下がります。
逆に卵が少なく浮遊期間が短い魚は生き残りやすくなります。
● ② 産卵場所
・外洋で産卵 → 卵も幼魚もプランクトンの餌になりやすい
・沿岸や岩礁帯で産卵 → 天敵が少なくやや有利
● ③ 親の保護有無
・完全放任型(マグロ・サバなど) → 生存率低下
・隠れ場所が多い型(カサゴ・キスなど) → 生存率上昇
● ④ 天敵の種類と数
・プランクトン期のクラゲ・稚魚食魚・甲殻類・鳥類が主な天敵
■ 釣り人目線の「生存競争の奇跡」
釣り場で釣れる1匹の裏には
「数万〜数百万分の1の奇跡的生存競争を勝ち抜いた個体」
という背景があります。
例えば…
・釣ったマグロは約100万分の1の生き残り
・釣ったガシラは約1000分の1の生き残り
・釣ったアオリイカは約2000〜1万分の1の生き残り
釣果1匹の重みが違って見えてくるはずです。
■ 生存率を決める進化の戦略とは?
| 戦略タイプ | 代表種 | 生存率傾向 |
|---|---|---|
| 超多産放任型 | マグロ・イワシ・サバ | 低生存率 |
| 中庸型 | ブリ・カツオ・タチウオ | 中間生存率 |
| 隠れ家型 | カサゴ・キス・カマス | やや高生存率 |
| 産卵場保護型 | アオリイカ | 比較的高生存率 |
それぞれの魚が、長い進化の中で最適な方法を選んできたのです。
■ まとめ
・魚種ごとに卵から成魚までの生存率は大きく違う
・基本は卵数が多いほど生存率は低い
・釣り場で釣れる魚は奇跡の生き残り
・海の生存競争は壮絶でドラマに満ちている
釣りを楽しむ時は、こうした「命の確率」にも思いを馳せてみてください。
1匹1匹の価値が、きっともっと重く感じられます。


