「天然の魚には寄生虫がいる」という話、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
実際、天然の魚に寄生虫が存在する確率はゼロではありません。
むしろ、多くの天然魚には何らかの寄生虫が寄生していると考えてよいでしょう。
ただし、その「確率」は、魚の種類、寄生虫の種類、生息環境、そして時期によって大きく異なります。
いくつか具体的な例を挙げると:
アニサキス: 特に有名なのがアニサキスですね。
サバ、イワシ、サケ、アジ、カツオ、イカなどに多く見られます。
天然のブリの場合、アニサキスが寄生している確率は5~10%未満とされることが多いようです。
しかし、サバやカツオなどでは、20%前後の個体で筋肉内にアニサキスが確認されるという報告もあります。
ブリ糸状虫: 天然のブリには「ブリ糸状虫」という寄生虫もよく見られます。
これは地域や環境にもよりますが、天然のブリでは10~50%程度の個体に見られることがあります。
日本海裂頭条虫: サケやマスからは、約30%前後の確率で日本海裂頭条虫が発見されることがあります。
海外の研究では、調査対象となった野生の魚の82%、あるいは**93.5%**が何らかの寄生虫に
感染していたという報告もあり、寄生虫の存在自体は天然魚の生態系の一部と言えます。
寄生虫はなぜいるの?
これらの寄生虫は、魚の消化管や筋肉、体腔などに寄生し、魚が捕食するオキアミや小型の魚を中間宿主としてライフサイクルを繰り返しています。
養殖魚に比べて天然魚に寄生虫が多いのは、天然の餌を摂取する機会が多いためです。
寄生虫がいても大丈夫?安全に食べるには?
多くの寄生虫は、魚に寄生するのに特化しており、人間には寄生しないものが多いです。
例えば、先述のブリ糸状虫は、人間には寄生せず、食べても害はありません。
しかし、アニサキスのように、生きたまま人体に入ると食中毒(アニサキス症)を引き起こす可能性のある寄生虫も存在します。
アニサキス症は激しい腹痛や吐き気などの症状を引き起こしますが、適切な処理をすることでリスクを回避できます。
安全に天然魚を楽しむためのポイントは以下の通りです。
加熱する: 寄生虫は熱に弱く、70℃以上で瞬時、または60℃で1分以上加熱すれば死滅します。
冷凍する: 寄生虫は低温にも弱く、-20℃以下で24時間以上冷凍することで死滅します。市販の刺身用天然魚は、この冷凍処理がされているものも多いです。
目視で確認し除去する: 魚をさばく際に、半透明の白い糸状(アニサキス)や、ピンク色で細長い(ブリ糸状虫)などの寄生虫が見つかることがあります。
これらは目視で確認し、丁寧に取り除きましょう。
特に内臓に寄生していることが多いので、速やかに内臓を除去し、よく洗浄することが大切です。
新鮮な魚を選ぶ: 寄生虫は時間が経つと内臓から筋肉へ移動することがあります。
購入後は速やかに処理し、できるだけ新鮮なうちに食べましょう。


