魚は「1匹」じゃない？ヒラメは一枚、マグロは一本、ウナギは一串という数え方の理由とは？

「魚は1匹でしょ？」と思っていたら、
スーパーでは「マグロ一本いくら」「ヒラメ一枚」「ウナギ一串」と書かれていて戸惑ったこと、ありませんか？

実はこれは間違いではなく、**日本語の繊細な表現と魚の姿・調理法・用途に応じた“数え方の違い”**なんです。

この記事では、
なぜ魚を「匹」ではなく「枚」「本」「串」と数えるのか、その理由や背景をわかりやすく解説します。

【目次】

一般的に、魚を数えるときは「匹（ひき）」を使います。
これは、小型で動きのある動物全般（犬・猫・虫・魚など）に使う助数詞です。

釣りでは、

のように、生きた魚・泳いでいる魚には「匹」が使われます。

ヒラメやカレイなどの平たい魚は、「1匹」ではなく**「1枚（まい）」**と数えられることがあります。

枚という助数詞は、紙・布・皿など、平たいものを数えるときに使う日本語。
ヒラメのように扁平な体をしている魚は、その見た目から「枚」で数えるようになったとされています。

料理の世界では、

など、食材として扱う際に「枚」で数える表現が定着。
市場やスーパーでも、「ヒラメ1枚＝1尾分のフィレ」として販売されます。

マグロは釣りでも市場でも、「1本（いっぽん）」と数えるのが普通です。

マグロは数十kg〜数百kgになる巨大魚。
その堂々とした姿から、「丸ごと1本の棒状の物」を表す助数詞「本」が使われるようになりました。

例：

マグロは、頭付き・尾付きの丸ごとの状態で出荷されることが多く、
枝肉のように“一本単位で扱う”文化が築かれました。
だからこそ、「マグロ1匹」とは言わず「マグロ1本」と呼ばれるのです。

ウナギの場合は、「1匹」でも間違いではありませんが、
料理の世界では「1串（ひとくし）」という数え方が主流です。

蒲焼きや白焼きなど、ウナギはほぼすべての調理が串焼き形式で行われます。
このため、

というように、料理としての単位で「串」が定着しています。

客に提供される際も、「ウナギ1匹」ではなく「1串」「2串」と伝えられるため、
飲食店でも“串”という数え方が便利で実用的なのです。

魚の世界には、まだまだたくさんの“特殊な助数詞”が存在します。