●「あっ、来た!」と思ったら…すーっと離れていくあの瞬間
エギを追ってきたアオリイカが、
ギリギリまで近づいたのに──
ピタッと止まり、向きを変えて去っていく。
これはまさに「見切り行動」。
釣り人にとっては、ため息モノの瞬間です。
●なぜアオリイカは“見切る”のか?
結論から言えば、
アオリイカの「目」が人間の想像以上に鋭く、“違和感”を正確に察知するからです。
●驚異の視覚能力:アオリイカの目はここまで見えている!
アオリイカは「偏光視覚(Polarized vision)」という特殊な視覚を持っています。
これは、
✅ 水中のわずかな光のゆらぎや反射の違いを見分け
✅ 擬似餌の微妙な違和感や人工的な反射を瞬時に見抜く力
さらに、
-
視力は魚類よりも優れ
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明暗や動きの変化に極めて敏感
-
エギの動き、沈下速度、光の反射角までチェック
つまり──
エギの“偽物感”、人間のミス、潮とのズレを察知して離れていくのです。
●アオリイカが“見切る”5つの人間側のミス
以下のような要素が、イカの見切りスイッチを押すと言われています。
① 着水音が大きすぎた
→ 強すぎる着水は「警戒対象」に。
② フォール速度が不自然
→ シャロータイプが必要なのに、重すぎる号数を使っていると違和感。
③ エギの動きがギクシャクしている
→ ダートが不自然・リズムがバラバラだとNG。
④ ラインが張りすぎている
→ テンションフォールの角度や速度が不自然になり、イカが違和感を察知。
⑤ 背後に釣り人の影や気配
→ 目視で人間の姿や動きまで感じ取っている可能性あり。
●実は“見切った”あとも、観察は続いている?
興味深いことに、見切ってもすぐには完全に逃げない個体もいます。
少し離れて、“横から”“下から”エギを観察し続けることがあるのです。
これは、まるで:
「ちょっと違和感あるけど……本物かもしれない。どうしよう?」
と判断を保留している状態とも言えるでしょう。
●じゃあ、どうすれば“見切り”を回避できる?
✅ とにかく自然に見せる!
・風や潮に合った号数選び
・シャクリとフォールのリズムを一定に
・テンションフォールの角度と速度を意識
✅ 最後のフォールを丁寧に!
→ エギが見切られたとき、最後の一瞬でスイッチが入ることもある。
✅ 見切られてもあきらめない!
→ カラーチェンジ・サイズダウン・リトライで“再び抱く”例も多数。
●まとめ:アオリイカは“釣られるかどうか”を見極めている!
見切りの原因 | 対策 |
---|---|
違和感のある動き・沈下 | エギ選びと誘いの見直し |
警戒される存在感 | 静かに・気配を消す釣り方 |
不自然な着水音 | やさしく投げる・落とす |
アオリイカの“見切り”は、
ただの拒否反応ではなく、彼らの高度な判断力と視覚能力の表れです。
それを理解し、丁寧に対応することで──
「見切り」は「ヒット」に変わるかもしれません。