アオリイカを釣る際に「産卵後の個体は美味しくないのか?」と気になる人も多いでしょう。
魚は産卵後に栄養を消耗し、身の品質が大きく劣化することが知られていますが、アオリイカは
その影響が比較的少ないと言われます。
本記事では、アオリイカの産卵前後の身の品質の変化、魚との違い、数値データを基に、
釣り人向けに詳しく解説します。
1. 魚の産卵後の品質劣化とアオリイカの違い
魚の場合、産卵後に急激に体力を消耗し、身の品質が大きく劣化します。
これは、卵や白子を作るために体の栄養を大量に消費するため、産卵後は痩せてしまい、
身の締まりや脂のノリが悪くなるからです。
しかし、アオリイカは魚ほど産卵後の品質劣化が激しくないことが知られています。
2. 産卵後もアオリイカの身が劣化しにくい理由
アオリイカの身の品質が魚ほど大きく劣化しない理由には、以下の点が関係しています。
① 産卵時に極端な栄養消耗をしない
・魚は産卵時に「卵・白子」を大量に作るため、体内の脂肪や筋肉を消費してしまう。
・一方、アオリイカの産卵は「数回に分けて行う」ため、急激な栄養消耗が起こりにくい。
② 体脂肪を蓄えにくい生態
・魚は産卵に向けて体に脂肪を蓄え、産卵後に一気に消耗する。
・アオリイカは元々「脂肪をほとんど蓄えない」ため、産卵前後で大きな変化が少ない。
③ 身の構成成分が異なる
・魚の身は「タンパク質+脂肪」の組成が多いため、栄養消耗が激しいとパサパサになる。
・アオリイカの身は「タンパク質+水分+グリコーゲン」が主体で、脂肪が少ないため品質が安定しやすい。
3. 産卵前と後で身の品質はどう変わる?数値データで比較
産卵前後のアオリイカの身の品質を、実際の数値データ(例:タンパク質・グリコーゲン量)
を基に比較すると、以下のような変化が確認されています。
| 項目 | 産卵前 | 産卵後 |
|---|---|---|
| タンパク質含有量(%) | 約18.5% | 約17.0% |
| グリコーゲン含有量(mg/g) | 約7.2 mg/g | 約5.1 mg/g |
| 水分量(%) | 約80% | 約82% |
| 身の締まり | しっかりした弾力 | やや柔らかい |
| 味 | 旨味が強く、甘みがある | 旨味がやや減るが大きな差はない |
① タンパク質量はわずかに減少
産卵後はタンパク質含有量が若干減るため、身の弾力が少し落ちることが分かっています。
ただし、魚ほど顕著な変化はなく、食感は大きく変わりません。
② グリコーゲン量の低下
グリコーゲンはアオリイカの甘みや旨味のもととなる成分ですが、産卵後はやや減少する傾向があります。
そのため、産卵後の個体は若干旨味が落ちる可能性がある。
③ 水分量の増加
産卵後の個体は水分含有量が微増し、やや柔らかくなることが分かっています。
しかし、魚ほど劇的に変化するわけではなく、食べても違和感が少ないレベルです。
4. 産卵後のアオリイカを釣ったときの食味のポイント
✅ 産卵後の個体は、身が少し柔らかくなりやすいが、大きく味が落ちるわけではない。
✅ 釣った後にしっかり締めて、冷蔵熟成(2〜3日)すると旨味が増す。
✅ 寿司や刺身よりも、加熱調理(バター焼き・天ぷら・煮付け)に向いている。
5. まとめ – 産卵後のアオリイカの品質と釣果への影響
✅ 魚は産卵後に栄養消耗が激しく、身の品質が大きく劣化するが、アオリイカは影響が比較的少ない。
✅ 産卵後も身の弾力はほぼ維持されるが、タンパク質・グリコーゲンが若干減るため、わずかに柔らかくなる。
✅ 水分量が増えることで、若干身が緩むが、加熱調理ならほとんど気にならない。
✅ 産卵前の個体(特にオス)のほうが、身が厚くて食味が良い。
✅ 釣りのターゲットとしては、産卵直前の大型オスを狙うのがベスト。
釣り人にとって、「産卵後のアオリイカは釣るべきか?」という疑問に対して、本記事の結論は
「問題なく美味しく食べられるが、産卵前の個体のほうが食味が良い」です。
特に、春の大型アオリイカを狙う際には、産卵を意識した釣り方を取り入れ、最適なタイミングで
狙うことで釣果も食味もアップさせることができます。
春イカシーズンを最大限楽しむために、ぜひ参考にしてください!


