エギ王K「マリアナモンスター」は、ヤマシタ社のイカ釣り用ルアー(エギ)のカラー名で、2025年春に発売されたエギ王Kシリーズの新色です。エギ王Kシリーズ自体が、エギへの反応が渋い低活性のイカを攻略するために開発されたモデルであり、マリアナモンスターもそのコンセプトに沿った特徴を持っています。初心者の方にも分かりやすいように、このカラーの色の特性、使えるシーン、そしてほかの色との差別化について説明します。
色の特性
マリアナモンスターの外観: 紫を基調とした布地にピンクや黄色のラインなど蛍光色の模様が入ったデザインが特徴です。このエギはプラスチックボディ(下地)の色が「紫」となっており、そのおかげで水中でエギのシルエット(影のような輪郭)が際立ちます。
特に紫のボディカラーは光の届きにくい環境でも存在感を発揮し、深い水深や夜間といった最も暗い状況下でも効果を発揮します。また、布地にはラメ(きらきら光る繊維)が織り込まれており、さらにピンクやイエローの蛍光柄(ネオンカラーの模様)がアクセントとして入っています。この蛍光カラーの模様はわずかな光でも反射・発色してエギ全体にメリハリを与え、警戒心が強くナーバスになっているような大型のイカにもアピールして魅了する効果があります。
要するに、マリアナモンスターのカラーは「紫のシルエット効果+蛍光カラーのちょっとした輝き」によって、イカに程よく存在をアピールする設計になっているのです。
使えるシーン
マリアナモンスターが活躍する状況は、一言でいうと**「光量の少ない場面」です。具体的には、朝夕のマズメ時(薄明るい時間帯)や曇り・小雨の日など太陽光が弱い天候、そして夜間では月明かりが雲に隠れているときや新月で月の出ていない真っ暗な夜などが挙げられます。
このように周囲が暗い状況では、水中 シルエットがはっきり出る紫色のボディがイカに対して存在をしっかりアピールしてくれます。さらに、水深が深いエリアを狙う場合にも有効です。海の中は深くなるほど光が届きにくく暗くなりますが、マリアナモンスターならそうした深場でもシルエットが目立つため、イカにルアーの存在を気付かせやすくできます。
また、イカの活性(エサを追う積極性)が低い状況にもマリアナモンスターのカラーはマッチします。エギ王Kシリーズ自体が低活性時に効果を出すことを目的とした安定フォールのエギなので、イカが警戒していたりスレている(釣り場のプレッシャーで慎重になっている)ような状況でも効果的です。紫のシルエットと控えめな蛍光アクセントは、イカに過度なプレッシャーを与えにくいため、他の派手なエギでは抱いてこないような渋い状況下のイカにも思わず抱かせることが期待できます。
ほかの色との差別化
マリアナモンスターは他のカラーにはない独自の強みを持っており、特に暗い場面でその優位性が発揮されます。他のエギの色と比較しながら、その差別化ポイントを見てみましょう。
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暗い状況での視認性: 他のカラーではシルエットがぼやけてしまうような暗闇でも、紫ボディのマリアナモンスターならエギの輪郭がはっきり出るためイカに気づいてもらいやすいです。例えば、月明かりが明るい満月の夜などは下地が赤いエギ(赤テープのエギ)で影を見せるのが効果的だったり、逆に真っ暗な新月の夜には自発光するグロー(蓄光)タイプのエギが有利とされます。しかし、月が雲に隠れるような中暗の夜や明け方・夕暮れの薄暗い時間帯では、マリアナモンスターの紫ボディが程よいシルエット効果を発揮してイカにアピールできるのです。言い換えれば、**「明るすぎず暗すぎない絶妙なアピール」**ができるカラーと言えます。
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イカへのプレッシャーの違い: グロー系のエギ(光るエギ)は真っ暗な海でも目立ちますが、その強い発光がかえって警戒心の強いイカにはプレッシャーになる場合があります。
一方、マリアナモンスターの紫カラーは発光せず自然な影を演出するため、スレたイカにも違和感を与えにくいメリットがあります。他の派手なボディカラー(例えば金テープや虹色のスケルトンボディなど)は日中の澄んだ潮や明るい環境で効果を発揮しますが、そういったカラーは夜間のような暗い環境では存在感が薄れてしまいます。それに対してマリアナモンスターは暗所専用とも言えるカラー設計なので、「ここぞ」という暗いシチュエーションで他の色よりも有利に働くのです。
要約すると、エギ王Kのマリアナモンスターは「暗い場所で強い」カラーです。他の色ではアピール不足な状況でもしっかりイカに存在を気付かせ、かつ派手すぎないので警戒心を与えにくいというバランスの取れた特徴があります。初心者の方でも、まずは「周囲が暗いときのお助けカラー」と覚えておくと使い分けがしやすいでしょう。ぜひ光量やイカの様子に応じてマリアナモンスターを活用してみてください。