魚を**氷+海水(潮氷)**に浸けると、冷却効果が高く鮮度保持に優れていますが、
時間が長くなるといくつかの問題が発生します。
適切な時間の目安
- 2~6時間程度: 鮮度を維持しながら身も締まり、美味しくなる。
- 6~12時間: 魚の種類によっては問題なし(青物など)。
- 12時間以上: 状況によって問題が出やすくなる。
長時間潮氷に浸けると発生する問題
1. 浸透圧による水分過多(身が緩む)
- 潮氷の塩分濃度が高いと、魚の体液とのバランスが崩れ、身の水分が抜ける or 逆に吸水して身が緩む。
- **白身魚(タイ、ヒラメなど)**は特に影響を受けやすい。
2. 低温障害(冷やしすぎによる劣化)
- 0℃以下になると、魚の細胞が壊れ、ドリップ(旨味成分を含む水分)が出やすくなる。
- **マイナス1℃~0℃**が理想。
3. 血合いの変色
- 潮氷に長時間浸かると 血合い部分が黒ずんだり、変色 することがある(特に青物)。
- これは水分が抜けたり、酸化が進むため。
4. 味の低下
- 過度に浸かると水分が多くなりすぎて、食感が落ちることもある。
- 特に白身魚は「ねっとり感」や「締まり」がなくなることがある。
長時間漬けるならどうすれば良いか?
- 塩分濃度を調整する
- 海水と同じ3.5%程度がベスト(濃すぎると身が締まりすぎる)。
- 適温管理(-1℃~0℃をキープ)
- 氷が溶け続けると温度が下がりすぎるため、適宜調整。
- 長時間(12時間以上)ならクーラーボックスでドリップ対策
- 長時間放置せず、一度潮氷から取り出し、キッチンペーパー+ビニール袋で包むのも有効。
結論
- 潮氷は6時間程度が最適、長くても12時間以内が理想。
- 12時間以上は身の水分バランスが崩れたり、味が落ちる可能性あり。
- 長時間浸ける場合は、塩分濃度・温度管理・ドリップ対策が重要!