天然ヒラメが旬を迎える冬は最高に美味しい時期ですが、産卵後の春には「猫マタギ」と呼ばれる
ほど味が落ちてしまう、というお話ですね。
これは天然魚ならではの特徴で、釣り人の皆様に分かりやすくご説明させていただきます。
「猫マタギ」とは?
「猫マタギ」とは、「猫でさえまたいで通るほど美味しくない魚」という意味の古い言葉です。
つまり、魚好きの猫も食べずに避けてしまうほど味が落ちている、という意味合いで使われます。
なぜ天然ヒラメは春に「猫マタギ」になるのか?
天然ヒラメは、冬に栄養を蓄え、産卵期である春に体力を使い果たします。
そのため、以下のような変化が起こり、味が落ちてしまうのです。
- 身の水分量が増加: 産卵のために体内に水分を多く蓄えるため、身が水っぽくなり、締まりがなくなります。
- 脂質の減少: 産卵にエネルギーを使い果たし、体内の脂質が大幅に減少します。ヒラメの旨味は脂に含まれる成分も大きく影響するため、脂が抜けることで味が落ちてしまいます。
- 食感の低下: 身が水っぽくなることで、食感も悪くなります。プリプリとした食感が失われ、水っぽい、またはブヨブヨとした食感になることがあります。
天然魚ならではの特徴
養殖ヒラメは、常に適切な環境で餌を与えられているため、季節による味の変動が少ないです。
しかし、天然ヒラメは自然環境の中で生きており、季節ごとの環境変化や産卵といった生理現象の
影響を大きく受けます。
これが、天然魚ならではの特徴であり、旬の時期とそうでない時期の味の差が大きくなる理由です。
釣り人へのアドバイス
- ヒラメを狙うなら冬が最適: 美味しいヒラメを食べるなら、やはり旬の冬が最適です。脂が乗って身も締まっており、最高の味わいを堪能できます。
- 春のヒラメはリリースを検討: 資源保護の観点からも、春の産卵後のヒラメはリリースすることを検討しましょう。来年以降も美味しいヒラメを釣るために、大切なことです。
- 持ち帰る場合は調理方法を工夫: どうしても持ち帰る場合は、水分を飛ばす調理方法(例:干物、ムニエル)などを試してみると、美味しく食べられる可能性があります。
まとめ
天然ヒラメは、産卵後の春には「猫マタギ」と呼ばれるほど味が落ちてしまいます。
これは、天然魚特有の現象であり、自然の摂理とも言えます。
釣り人の皆様には、このことを理解した上で、賢く釣りを楽しんでいただければと思います。
資源保護にもご協力いただき、未来の釣り人のためにも、持続可能な釣りを楽しんでいきましょう。
補足
地域によっては、春のヒラメでも美味しく食べる方法が伝わっている場合もあります。
地元の漁師や釣り人に情報を聞いてみるのも良いでしょう。
また、「猫マタギ」という言葉は、ヒラメに限らず、旬を過ぎて味が落ちた魚全般に使われる
ことがあります。
天然ヒラメは裏面が真っ白なのが特徴。
養殖はまだら模様が有ります。