魚料理でいう「カマ」は、鰓の部位ではなく、魚の頭と胴体の境目にある部分、つまり胸びれ周辺から顎(あご)の下あたりの肉を指します。この部位は、鰓に近い場所ではありますが、厳密には鰓そのものではありません。
カマの位置と構造
- 部位:頭部と胴体の間、胸びれの周辺からあごの下(エラ蓋の付近)。
- 特徴:骨に囲まれた部分で脂が乗りやすく、筋肉が発達しています。特に大型魚(ブリ、マグロ、カンパチ、サワラなど)では、この部分が美味しい部位として珍重されます。
カマと鰓の違い
| 特徴 | カマ | 鰓(えら) |
|---|---|---|
| 位置 | 頭部と胴体の境目、胸びれ周辺の肉 | 頭部の内部、呼吸器官 |
| 構造 | 筋肉が多く脂が乗っている部位 | 呼吸のためのひだ状構造 |
| 調理法 | 焼き物(塩焼き、照り焼き)、煮付け | 煮付け、スープの具材 |
| 味わい | 脂が多くジューシーで濃厚 | ゼラチン質が多く、濃厚な味わい |
| 用途 | 高級な食材として珍重される | 一部の地域や料理で活用されることが多い |
カマが美味しい理由
- 脂の多さ
カマ部分は魚全体の中でも特に脂が乗りやすく、ジューシーで旨味が凝縮されています。 - 筋肉の発達
胸びれを動かす筋肉が集まっているため、適度な歯ごたえと濃厚な味わいが楽しめます。 - 骨周りの肉の旨味
骨に近い部位はアミノ酸やイノシン酸が多く含まれており、味が濃いのが特徴です。
カマが特に美味しい魚
- ブリ・ハマチ:脂の乗りが最高で、塩焼きや照り焼きが定番。
- マグロ:大型魚のカマは特に脂が多く、焼き物で旨味が引き立つ。
- カンパチ:身がしっかりしており、煮付けや焼き物に最適。
- サワラ:淡白な味わいながら脂のコクがある。
- サケ:脂が乗りやすく、焼き物で人気。
鰓との関連
- カマと鰓は隣接する部位であり、調理する際に一緒に扱われることがあるため、混同される場合があります。
- 一部の料理では、カマと鰓を一緒に煮込んで味を引き出すこともありますが、カマは食べられる筋肉部分がメイン、鰓はゼラチン質が多い部位として役割が異なります。
結論
「カマ」は鰓そのものではありませんが、鰓の近くにある脂が乗った美味しい部位です。
カマは食用として特に人気が高く、塩焼きや煮付けでその旨味を存分に楽しむことができます。
一方、鰓はゼラチン質が豊富で、スープや煮込み料理に使われることが多いです。


