魚が興奮したりストレスを感じたりすると模様が浮き彫りになるのは、色素胞(しきそほう)と呼ばれる特殊な細胞の働きによるものです。

色素胞の仕組み

魚の皮膚には、以下のような色素胞が存在します:

  1. 黒色素胞(メラノフォア):黒や茶色の色素を含む。
  2. 虹色素胞(イリドフォア):光を反射して金属的な輝きを生む。
  3. 黄色素胞(キサントフォア):黄色の色素を含む。
  4. 赤色素胞(エリトロフォア):赤色の色素を含む。

これらの色素胞が、魚の体内でホルモンの変化や神経の信号によって変化し、模様や色が強調されます。


浮き彫りになる理由

  1. 興奮やストレスへの反応
    魚が外的刺激(捕食者、縄張り争い、繁殖行動など)を受けると、ホルモンが分泌されます。特にアドレナリンのようなホルモンが、色素胞を収縮または拡張させることで模様がはっきり見えるようになります。
  2. コミュニケーションのため
    • 他の魚に警戒信号を送る。
    • 繁殖期に異性へのアピールを強める。
    • 縄張りを主張するために模様を強調。
  3. 保護色の一部
    周囲の環境に溶け込むためのカモフラージュとして、模様を瞬時に変化させることがあります。興奮時にはその制御が緩むため、模様がより目立つ形になる場合も。

具体例

  • イカやタコ:興奮すると体色や模様を変え、威嚇や防御に使います。
  • スズメダイベラ:繁殖期になると特定の色や模様が強調され、異性を引き付ける。
  • カワハギ:警戒すると斑点模様がはっきりし、威嚇に使われることがあります。

まとめ

魚が興奮すると模様が浮き彫りになるのは、生理的な反応(色素胞の変化)が原因で、これは

外敵への対策仲間とのコミュニケーション繁殖といった生存に直結する重要な役割を果たして

います。

下記写真はイズスミですが、興奮して模様が浮き彫りになっています。

興奮して模様が浮き彫りになったイズスミ。釣太郎

 

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