寄生虫の多さや種類が魚種ごとに異なる理由の一つは、その魚が食べている餌や生息環境が違うことにあります。
ただし、他にも要因が複雑に絡み合っています。以下に詳しく説明します。
1. 餌の種類と寄生虫
魚が摂取する餌には、それぞれ異なる寄生虫が潜んでいます。魚はその餌を介して寄生虫に感染するため、食性によって寄生虫の種類が変わります。
- プランクトンを主に食べる魚
プランクトンには寄生虫の幼生がいることがあり、それを食べる魚(例えばイワシやアジ)は、特定の寄生虫(アニサキスなど)に感染しやすいです。 - 甲殻類を食べる魚
カサゴやキジハタなどの魚は、小さなエビやカニを捕食しますが、これらの甲殻類は寄生虫の中間宿主となることが多いため、魚も感染します。 - 魚を捕食する魚(フィッシュイーター)
カンパチやブリなどの肉食魚は、小魚を通じて寄生虫に感染します。寄生虫は、食物連鎖を通じて捕食者へ移行するため、上位捕食者ほど寄生虫が多い場合があります。
2. 生息環境の影響
寄生虫は特定の環境で多く見られることがあり、魚の生息場所が影響します。
- 沿岸域の魚
沿岸域では寄生虫の中間宿主(カニ、エビ、貝類)が多いため、これを食べる魚は寄生虫に感染しやすいです。 - 深海魚
深海魚にも寄生虫はいますが、寄生虫の種類や生態は浅い海域と異なります。 - 養殖魚と天然魚の違い
養殖魚は人工飼料を食べているため、寄生虫が少ないことが一般的ですが、密集環境が影響し、特定の寄生虫(例:ウオノエ類)が発生する場合があります。
3. 魚種ごとの違い
魚種ごとに寄生虫が異なるのは、次のような理由もあります:
- 寄生虫と宿主の関係
寄生虫は特定の魚種やその近縁種に寄生する傾向があります。これは寄生虫が進化の過程でその宿主に適応したためです。 - 成長段階での食性変化
魚の成長に伴い、食性が変わることがあります。例えば、稚魚期にはプランクトンを食べ、成魚期には小魚を捕食する魚では、年齢に応じて感染する寄生虫が異なる場合があります。
4. 具体例
- アニサキス: イワシ、アジ、サバ、カツオ、サケなど、プランクトンを餌とする魚に多い。
- クドア: ヒラメに多い筋肉内寄生虫。
- ウオノエ類: カサゴやハタ系に寄生し、口内やエラに見られる。
- フィロメトラ: マダイなどのウロコや筋肉内に寄生。
5. 食べる際の注意
寄生虫を持つ魚でも、適切な調理でリスクを減らすことができます:
- 冷凍処理: -20℃以下で24時間以上冷凍すると寄生虫は死滅。
- 加熱処理: 十分な加熱(内部温度70℃以上)で寄生虫は死滅。
- 生食時の目視確認: 刺身用の魚を調理する際は寄生虫の有無を確認する。
寄生虫の種類は魚の生態や食性に大きく依存しますが、生物の多様性と食物連鎖の中で自然に生じる現象です。
その背景を知ると、より安全に魚を楽しむことができます!


