クエやマグロといった大型魚に当たりはずれが激しい理由は、以下のような要因が関係しています。
1. 餌や生息環境の影響
大型魚は成長する過程で食べる餌がさまざまですが、特に脂の乗りや味はその時期の主な餌や生息環境に大きく左右されます。
- クエの場合:甲殻類や小魚、イカなどが主な餌ですが、エビやカニを多く食べている個体は甘味が強く、味の当たりとされることが多いです。
- マグロの場合:回遊先の海域での餌(イワシ、サンマ、アジなど)や脂肪の蓄積が大きく影響します。
2. 回遊魚特有の脂肪のばらつき
特にマグロのような回遊魚は、移動距離が長くなるほど脂肪が燃焼されるため、体の部位や捕獲された場所・時期によって脂の乗りが変わります。
- 産卵前後:産卵前はエネルギーを蓄えるため脂が乗りやすいですが、産卵後は体力が消耗し味が落ちることがあります。
- 季節:水温が低い時期は脂が乗りやすいですが、水温が高いと脂肪が少なくなることがあります。
3. 個体差
魚にも個体差があり、同じ種類でも遺伝的な要因や年齢によって味に差が出ます。
- 年齢:大型魚でも若い個体は肉質が柔らかく、脂肪が少ない場合がある一方、成熟した個体は脂が多い場合がある。
- 成長環境:栄養豊富な海域で育った個体は、美味しいとされることが多いです。
4. 保存方法や鮮度の影響
捕獲後の処理方法や保存状況も味に影響します。大型魚は体が大きいため、冷却や血抜きが不十分だと品質が低下しやすいです。
- クエの場合:鮮度が高いうちはゼラチン質が多く、鍋などで旨味が引き立ちますが、時間が経つと硬くなることがあります。
- マグロの場合:適切な瞬間冷凍やチルド処理がされていないと、味や風味が落ちることがあります。
5. 部位による違い
大型魚は部位ごとに味や脂の量が異なります。
- マグロ:トロ(脂が多い部位)と赤身(脂が少ない部位)では味が大きく異なり、好みによって評価が変わることがあります。
- クエ:身が厚い部分と薄い部分で食感や味わいが変わります。
結論
クエやマグロのような大型魚は、生息環境、季節、捕獲時期、保存方法、個体差、さらには部位
ごとの特徴が複雑に絡み合い、味にばらつきが出ます。
そのため、運や選び方が「当たりはずれ」を大きく左右すると言えるでしょう。