ヤエン釣りで活けアジを「引っ張って振動させる」とアオリイカが乗ってくることが多いのは、アオリイカが視覚だけでなく**振動(側線系や触腕の感覚)**による情報を敏感に察知しているためと考えられます。この現象について、以下の点で詳しく説明します。
1. アオリイカの振動感知能力
アオリイカは視覚だけでなく、周囲の水流や振動を感知する能力にも優れています。
- 感覚器官
アオリイカには「平衡胞」という感覚器官があり、周囲の水流や振動を敏感に察知することができます。この能力は、獲物の動きや異常な動き(抵抗のある泳ぎ)を認識するために役立ちます。 - 獲物の捕捉
自然界では弱った魚や異常な動きをする魚は捕食の対象になりやすいため、アジの泳ぎに振動や抵抗が加わると、アオリイカの捕食スイッチが入りやすくなります。
2. 振動が捕食スイッチを入れる理由
アオリイカが引っ張られたアジに反応するのは、以下の理由が考えられます:
- 異常な動きに興味を持つ
獲物が自然ではない動きをすると、アオリイカはそれを「逃げようとしている弱った獲物」や「容易に捕らえられるターゲット」と認識する可能性があります。 - 振動による捕食刺激
引っ張られたアジが発生させる振動や水流は、アオリイカの触腕や感覚器官に直接刺激を与え、捕食行動を促進します。
3. 抵抗と振動の効果
活けアジを泳がせるだけの場合、動きが一定でアオリイカが興味を持つまで時間がかかることがあります。一方で、引っ張ることで以下のような効果が得られます:
- 水流の変化
アジを引っ張ると、水流が変化し、その振動がアオリイカに「逃げようとしている獲物」として認識されやすくなります。 - 反射的な攻撃行動
水中で急な動きや振動を感じたアオリイカは、即座に攻撃行動を取ることが多いです。このため、引っ張ることでアオリイカの攻撃スイッチが入ります。
4. アオリイカが振動を視覚より優先する状況
アオリイカが振動に反応するのは、視覚情報が不十分な場合や捕食本能を刺激される場合が多いです。
- 夜間や濁りの強い状況
視界が悪い環境では、アオリイカは振動や水流に頼ることが増えます。このため、振動を与えることでアタリが出やすくなります。 - 自然な泳ぎが目立たない場合
アジが健康で一定のリズムで泳いでいる場合、アオリイカの興味を引くには不十分なことがあります。振動を加えることで獲物としての存在感を高める効果が期待できます。
5. 実践的なテクニック
引っ張って振動を与える際には、次の点に注意するとさらに効果的です:
- タイミングを読む
アオリイカが定位している棚やポイントを把握し、その付近で引っ張りの動作を加える。 - リズムを変える
アジを一定ではなく、不規則なリズムで引っ張ることで、自然界で弱った魚の動きを再現する。 - 力加減に注意
あまりに強く引っ張りすぎるとアジが弱ってしまうため、軽いテンションで抵抗を加える。
結論
アオリイカが振動に反応する理由は、視覚情報だけでなく振動や水流の変化を敏感に察知し、捕食行動を誘発する能力があるためです。
ヤエン釣りでは、引っ張ることでアオリイカの捕食スイッチを刺激し、アタリを増やすテクニックが効果的に働くといえます。
この特性を活かして、状況に応じた動きの変化を試すことで釣果をさらに上げられるでしょう。


