アオリイカには味覚があると考えられていますが、魚類や哺乳類のような「味を楽しむ」という意味での味覚とは少し異なります。アオリイカを含む多くの頭足類(イカやタコなど)は、化学受容器を使って周囲の化学的な刺激を感知し、エサの判断に役立てています。この化学受容器は口や触腕、さらには体表にも存在し、エサがどのような物質を含んでいるかを認識することができます。
味覚の機能
アオリイカが「味覚」に相当する能力を持つのは、エサの選別や毒物の回避などに役立つためです。アオリイカは捕食時に触腕でエサに触れるだけでなく、化学受容器を使ってエサが食べ物に適しているかどうかを判断しています。このため、アオリイカはエサの「味」や「成分」をある程度感知し、特定のエサを好んだり避けたりする行動を取ることができます。
実際のエサ選びへの影響
アオリイカは、新鮮なアジやエビなどを特に好むことが知られています。これは、これらのエサから放出される化学物質や匂いに敏感に反応しているためです。逆に、劣化したエサや腐敗したエサに対しては捕食意欲が下がることがあります。これも、エサの状態を化学受容器を通じて感知しているからだと考えられます。
したがって、アオリイカには味覚に類似した感覚があり、これを使ってエサの適性を判断していると言えます。ただし、味覚を「楽しむ」というよりは、捕食の判断に役立つ感覚というのがより正確な理解です。
