魚には、なぜ手がないの? 不便では?

魚に手がない理由は、大きく2つあります。

  1. 水中で手よりもヒレの方が有利だから

魚にとって、水中を移動する上で最も重要なのは効率的な泳ぎです。手よりもヒレの方が、水の抵抗を少なく推進力を生み出すのに適しています。ヒレは体の形や動きを変化させることで、様々な方向へ素早く移動したり、急旋回したりすることができます。一方、手は複雑な動きには適していますが、水中での抵抗が大きくなってしまいます。

例えば、サメの胸ビレは、まるで飛行機の翼のように揚力を生み出して体を持ち上げることができます。また、ウナギのような魚は、体を波打たせるようにして進むため、手よりも体の表面積を大きくした方が効率的に泳ぐことができます。

  1. 進化の過程で手が必要なくなったから

魚の先祖は、約5億年前の海に生息していたヤツメウナギのような生物と考えられています。ヤツメウナギには、口の周りに吸盤のような器官がありますが、これは手ではありません。その後、魚類は進化の過程で顎や歯、骨格などを獲得し、より効率的に捕食できるようになりました。そして、水中を移動する主要な手段としてヒレが発達し、手が必要なくなったのです。

もちろん、中には手のような器官を持つ魚もいます。例えば、アンコウの前肢は、獲物を捕らえるために糸状の突起が並んだ構造になっています。しかし、これは進化の過程で独自に発達したものであり、ほとんどの魚類にとって手は必要不可欠な器官ではありません。

このように、魚にとって水中で手よりもヒレの方が有利であり、進化の過程で手が必要なくなったことが、魚に手がない理由と考えられます。

なお、魚類から陸上に上がった両生類や爬虫類、そして哺乳類は、手や足を持つようになりました。これは、陸上で生活するためには、体を支えたり、移動したり、物を掴んだりするなど、手や足の方が適しているためです。

なぜ魚には手がないの?不便じゃない?釣太郎

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