フグとキタマクラはどちらも毒を持つ魚ですが、それぞれの毒の性質と危険性は異なります。
フグの毒(テトロドトキシン)
毒の成分:
- 主成分はテトロドトキシン(TTX)です。
- 強力な神経毒で、非常に少量でも致命的です。
毒の作用:
- 神経細胞のナトリウムチャネルをブロックし、神経伝達を阻害します。
- これにより、運動機能の麻痺、呼吸困難、最終的には心停止を引き起こすことがあります。
毒の存在部位:
- フグの種類によって異なりますが、一般的には肝臓、卵巣、皮膚、腸などに多く含まれます。
中毒の症状:
- 食後20分から3時間以内に症状が現れます。
- しびれ、吐き気、嘔吐、運動障害、呼吸困難などが主な症状です。
- 重症の場合、呼吸停止や心停止に至ることがあります。
治療法:
- 特異的な解毒剤はありません。
- 主に対症療法(人工呼吸、胃洗浄、活性炭投与など)が行われます。
- 迅速な医療処置が必要です。
キタマクラの毒(パリトキシン)
毒の成分:
- 主成分はパリトキシン(Palytoxin)です。
- フグ毒(テトロドトキシン)とは異なる種類の毒です。
毒の作用:
- 細胞膜のナトリウム-カリウムポンプを異常に活性化し、細胞の機能を阻害します。
- これにより、筋肉の痙攣、心筋の異常収縮、最終的には心停止を引き起こすことがあります。
毒の存在部位:
- キタマクラの全身に広く分布していますが、特に肝臓や皮膚に多く含まれます。
中毒の症状:
- フグ毒と似ていますが、異なるメカニズムで中毒を引き起こします。
- しびれ、吐き気、嘔吐、筋肉痛、痙攣、呼吸困難などが主な症状です。
- 重症の場合、心停止に至ることがあります。
治療法:
- こちらも特異的な解毒剤はありません。
- 主に対症療法が行われます。
- 迅速な医療処置が必要です。