和歌山県の南紀地方を訪れたら、絶対に知っておきたい幻の海藻をご存知でしょうか。
地元の人々が春の訪れとともに心待ちにするその名も「ヒトハメ」、別名「ヒロメ」と呼ばれる海藻です。
スーパーの鮮魚コーナーにこのヒトハメが並び始めると、地元では「あぁ、今年もこの季節が
やってきたな」と、誰もが温かい気持ちになるそうです。
全国的にはほとんど出回らないため、初めて名前を聞く方も多いかもしれませんね。
今回は、南紀の豊かな海が育んだ知る人ぞ知る絶品、ヒトハメの魅力についてたっぷりご紹介します。
ヒトハメ(ヒロメ)の最大の特徴と生息地
ヒトハメは、ワカメに少し似ていますが、葉がひと続きになっていて非常に大きいのが特徴です。
「一葉(ひとは)」のワカメというところから、「ヒトハメ」と呼ばれるようになったとも言われています。
手触りはトロッとしていて、ワカメよりも肉厚でシャキシャキとした心地よい歯ごたえがあります。
この海藻のすごいところは、和歌山県の南紀地方というごく限られたエリアの海にしか生息していないことです。
黒潮の恩恵を受ける豊かで美しい海だからこそ育つ、まさに自然の芸術品ですね。
味わえるのは晩冬から初夏だけ!限られた旬
ヒトハメが収穫できるのは、水温が下がりきった晩冬から初夏にかけての短い期間だけです。
だいたい2月から5月頃までが、もっとも美味しくいただける旬の時期となります。
この時期になると、地元のスーパーや産直市場の店頭には、茶褐色をした生鮮ヒトハメがどっさりと並びます。
地元民にとっては、食卓に春を告げる欠かせない風物詩です。
旬が短く鮮度も落ちやすいため、生の状態で遠方へ出荷されることはめったにありません。
南紀に足を運んだからこそ味わえる、究極の地産地消グルメなのです。
おすすめの美味しい食べ方「ボイル(しゃぶしゃぶ)」
気になるヒトハメの食べ方ですが、一番のおすすめはシンプルに「ボイル」することです。
買ってきたばかりの茶褐色のヒトハメを、熱湯にサッとくぐらせてみてください。
お湯に入れた瞬間、まるで魔法のように鮮やかな緑色へとサッと変わるのも楽しいポイントです。
この色変わりの瞬間を見るのも、お料理の楽しみの一つですね。
茹で上がったら冷水でキュッと締め、ポン酢やめんつゆをかけて削り節を乗せるだけで、極上の小鉢が完成します。
シャキシャキとした食感と、口いっぱいに広がる磯の香りがたまりません。
お味噌汁の具や、お鍋のしゃぶしゃぶにしても最高に美味しいので、お好みの食べ方を探してみてくださいね。
南紀地方の限られた海でしか育たず、限られた季節にしか味わえないヒトハメ。
もし晩冬から初夏にかけて和歌山方面へお越しの際は、ぜひ地元のスーパーを覗いてみてください。
きっと、鮮やかな緑色に変わる魔法の海藻が、皆さまの食卓に新しい春の喜びを届けてくれるはずです。
美味しい海の恵みを探しに、南紀へお出かけしてみませんか。

