美味しい魚料理を作りたいなら、レシピを見る前にやるべきことがあります。
それは「下処理」です。
プロの料理人は口を揃えて言います。
「魚料理の味は、下処理で8割決まる」と。
どんなに高級な魚でも、ここを失敗すれば台無しになります。
逆に言えば、正しい下処理さえできれば、スーパーの魚でも劇的に美味しくなります。
今回は、なぜ下処理がそこまで重要なのか、プロが実践する3つの鉄則とともに解説します。
なぜ「8割」も決まってしまうのか
多くの人は「鮮度」が全てだと思っています。
しかし、釣りたての魚が必ずしも一番美味しいわけではありません。
魚の体には、臭みの原因となる「血」や「水分」、そして腐敗を進める「内臓」が含まれています。
これらをいかに早く、正確に取り除くか。 その処理の精度が、最終的な味の土台を作るからです。
どんなに素晴らしい味付けをしても、土台が悪ければ美味しい料理は建ちません。
下処理とは、食材を「食べられる状態」から「美味しくなる状態」へ引き上げる作業なのです。
プロが絶対に外さない「3つの鉄則」
「下処理」と一言で言っても、やるべきことは多岐にわたります。
ここでは味を決定づける、特に重要な3つのポイントに絞ります。
1. 温度管理(冷やしすぎず、温めず)
魚は温度変化に非常に敏感です。
釣った直後や購入後の持ち運びで、温度が上がると身が焼けてしまいます。
逆に、氷水に直接漬けて冷やしすぎると、目が白くなり旨味が飛びます。
「しっかり冷やすけれど、真水や氷には直接当てない」。
この絶妙な温度管理が、プリプリとした身の質感を守ります。
2. 徹底的な血抜き
魚の生臭さの9割は「血」から来ます。
単にエラを切るだけでなく、背骨の下にある血管(腎臓)まで綺麗にすること。
究極の血抜きと言われる「津本式」などが注目されるのも、このためです。
血が一滴も残っていない魚は、数日寝かせても臭みが全く出ません。
透明感のある味は、この工程で作られます。
3. 水分コントロール
これまでの記事でも触れましたが、余分な水気は大敵です。
洗った後は、親の仇のように水気を拭き取ってください。
そして、冷蔵庫で保存する際も、キッチンペーパーで包み、こまめに交換すること。
水分が抜けるほど、雑菌の繁殖が抑えられ、旨味は凝縮されます。
まとめ
「魚の味は下処理で8割決まる」。
これは決して大袈裟な表現ではありません。
高級な調味料を使うよりも、丁寧な下処理をすることの方が、味への貢献度は高いのです。
レシピや焼き方にこだわる前に、まずは魚そのものと向き合ってみてください。
丁寧に処理された魚は、ただの塩焼きにするだけで感動的な味になります。
次回の魚料理では、ぜひ「下処理」に一番時間をかけてみてください。
きっと、その違いに驚くはずです。

