最初に
冬になると
アジ
サバ
イワシ
グレ
ハマチ
ブリ
こうした多くの魚が脂のりMAXになります。
南紀の“寒尺アジ”がトロのように美味しくなるのも
まさに「冬の脂のりメカニズム」が理由です。
魚はなぜ寒くなると脂をためるのか?
理由は三つあります。
・体温維持
・エネルギー保存
・繁殖準備
この三つが重なる季節が冬です。
魚が脂をためる理由①
体温維持のため
魚は変温動物です。
水温が下がると体温も下がり
体の動きが鈍くなります。
そこで
効率よくエネルギーを使える“脂肪”を体内に蓄え
寒さに耐える仕組みをとります。
脂肪はカロリー効率が非常に高く
少ない量で長時間の生命維持ができます。
そのため
水温が20度→18度→15度と落ちるほど
体は自然と脂肪を蓄積します。
魚が脂をためる理由②
エネルギーを温存するため
冬はエサが減ります。
プランクトンも小魚も少なくなり
“食べたいのに食べられない季節”。
そのため魚は
秋〜初冬にかけて大量のエサを食べ
脂肪という形でエネルギーを蓄えます。
人間で言うと
冬眠前のクマと似た仕組みです。
・秋に食いまくる
・冬に備えて脂肪を大量に蓄える
・冬は脂肪エネルギーで生きる
これが冬の魚が太る理由です。
魚が脂をためる理由③
産卵に向けた栄養蓄積
多くの魚は春に産卵します。
アジ
サバ
イサギ
ブリ
タイ
これらの魚は
冬に栄養と脂肪を蓄え
産卵に備える必要があります。
産卵はエネルギー消費が激しいため
栄養をため込む=脂がのる
という結果につながります。
特にグレ(メジナ)は
“寒グレ”と呼ばれるほど冬に味が良くなり
これは産卵前の栄養蓄積が大きな理由です。
なぜ「脂がのる=美味しい」になるのか?
脂には
旨味
甘味
コク
これらを引き出す効果があります。
さらに
脂は身の水分を閉じ込め
しっとりした食感を生みます。
冬の魚を刺身で食べると
・旨味が濃い
・口の温度で脂が溶ける
・ねっとりと甘い
こう感じるのは
“脂の質が良い状態で蓄積されているから”。
南紀の寒尺アジがトロアジと呼ばれ
関アジに匹敵、あるいは超えると言われるのは
まさにこの脂質です。
冬に特に脂がのる代表魚
・アジ(寒アジ・寒尺アジ)
・サバ(寒サバ)
・ブリ(寒ブリ)
・イワシ
・グレ(寒グレ)
・タイ
・メバル
これらは冬に一番美味しくなります。
南紀の堤防で釣れる寒尺アジは
脂質15〜18%以上と言われ
都会の市場では手に入らない“隠れブランド魚”です。
水温何度から「脂のり」が急上昇するのか?
目安として
18度を下回るあたりから
脂質が増えていきます。
特に
16〜14度台は最高の脂のりゾーン。
この条件に南紀の冬はピッタリで
黒潮の分岐流が滞留した時期は
極上の寒アジが岸から釣れる
まさに奇跡の季節になります。
結論
魚が脂のるのは生き残るため
だから冬は美味しい
魚は
・寒さ
・エサ不足
・産卵準備
このすべてを乗り越えるために脂をためます。
その脂が
旨味と甘味、深みを生み
冬の魚を“旬の味”へと仕上げます。
冬の南紀は
日本屈指の“脂のる魚”が釣れる時期。
特に寒尺アジは
刺身でも炙りでも絶頂の美味しさになります。


