はじめに:南紀は「天然の生簀(いけす)」である
黒潮が接岸する南紀の海は、まさに魚種の宝庫です。
スーパーでよく見る魚だけでなく、卸売市場で高値で取引される「高級魚」が、岸から届く範囲に潜んでいます。
「せっかく遠征するなら、美味しい魚が釣りたい」
そんな釣り人の夢を叶える、南紀ならではのハイエンドなターゲットベスト5をご紹介します。
第1位:磯の絶対王者「クエ(九絵)」
言わずと知れた超高級魚の代名詞です。
「幻の魚」とも呼ばれ、大型のものになれば1kgあたり数万円の値がつくことも珍しくありません。
南紀は全国的に見てもクエの魚影が濃い地域です。
磯はもちろん、水深のある堤防からでも大型が狙えるのが南紀の凄さ。
強烈な引きに耐えて釣り上げたその身は、刺身でも鍋でも、他の魚とは次元が違う濃厚な旨味を持っています。
第2位:荒磯のカリスマ「イシダイ(石鯛)」
縞模様の魚体が美しい、磯釣りの底物ターゲットです。
釣る難易度が高く、市場にはほとんど出回りません。 磯の香りを纏ったその白身は、歯ごたえと甘みが絶品。
特に皮目の脂が美味で、皮を湯引きにしてポン酢で食べると、お酒が止まらなくなります。
南紀の地磯はイシダイの好ポイントが無数にあり、春と秋のシーズンには多くの釣り師が
この「本石」を追い求めます。
第3位:真紅の宝石「アカハタ」
近年、ルアー釣り(ロックフィッシュゲーム)のターゲットとして爆発的な人気を誇るハタの仲間です。
鮮やかな赤い魚体は、見るからに食欲をそそります。
身はクセのない上品な白身で、蒸し魚や煮付けにすると、フワフワの食感の中に強い甘みを感じます。
南紀の浅い岩礁帯に多く生息しており、クエやイシダイに比べると比較的ライトなタックルで狙えるのも魅力です。
手軽に高級魚の引きと味を楽しみたいなら、アカハタが一番の近道でしょう。
第4位:青物の最高峰「カンパチ(シオ)」
ブリ、ヒラマサと並ぶ青物御三家ですが、味の良さは頭一つ抜けています。
南紀では「シオ」と呼ばれる若魚サイズが堤防からよく釣れますが、若魚といっても侮るなかれ。
筋肉質な身はコリコリとした食感が心地よく、脂もしつこくありません。
秋から冬にかけて南紀の堤防に回遊してくるカンパチは、ルアーマンやカゴ釣り師にとっての格好の獲物。
釣った直後の透明感ある刺身は、釣り人の特権です。
第5位:市場流通1%未満「寒尺アジ(トロアジ)」
最後にあえてランクインさせたのが、南紀特有の居つきのアジです。
「たかがアジ?」と思うなかれ。 南紀の複雑な地形と黒潮の恩恵を受けて育った30cm超えのアジは、全身がトロのように脂ぎっています。
市場に出回る黒っぽいアジとは比較にならず、その希少性と食味は、間違いなく「高級魚」のカテゴリーに入ります。
誰でもサビキで釣れるチャンスがありながら、その味は料亭級。
コストパフォーマンスという意味では、間違いなくNo.1のターゲットです。
まとめ:高級魚は「買う」ものではなく「釣る」もの
これら5種類の魚に共通するのは、「鮮度が命」であることです。
どんなにお金を払っても、釣りたての活き締めには敵いません。
南紀の海は、そんな究極の贅沢を誰にでも平等に提供してくれます。
次の休日は、クーラーボックスを空にして、南紀へ一攫千金の釣り旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

