荒磯の王者、石鯛。
硬い口ばしでウニやサザエを砕く彼らは、一体海の中でどのようにしてエサを見つけているのでしょうか。
「目がいいのか?」
「鼻が利くのか?」
この疑問に対する答えは、石鯛釣りの戦略を根本から変える可能性があります。
結論から言うと、石鯛のエサ発見プロセスにおいては「嗅覚」が圧倒的なシェアを占めています。
しかし、最後の「食わせ」の瞬間に決定打となるのは「視覚」です。
今回は、石鯛の感覚比率を「嗅覚7:視覚3」と定義し、その理由と具体的な攻略法を解説します。
目次
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結論:探知の「嗅覚7割」、確認の「視覚3割」
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嗅覚の凄さ:潮流に乗った「匂いの粒子」を追跡する
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視覚の役割:エサの「白さ」と「動き」でロックオン
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第三の感覚:「側線」で波動を感じ取る
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実践テクニック:ウニの「汁」と「身」の使い分け
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まとめ:匂いで寄せ、目で食わせろ
本文
1. 結論:探知の「嗅覚7割」、確認の「視覚3割」
石鯛が遠く離れたエサを見つけるために使っている感覚、それは間違いなく「嗅覚」が主役です。
比率で言えば、**嗅覚が約70%、視覚が約30%**と考えられます。
なぜなら、石鯛が好むポイントは岩礁帯や海藻が生い茂る場所であり、視界が遮られやすい環境だからです。
また、彼らが好むウニや貝類は、逃げ回る魚とは違い、岩にへばりついて動かない「静止物」です。
動かないものを遠くから見つけるには、視覚よりも、そこから漂うアミノ酸の匂いを感知する嗅覚の方が圧倒的に有利なのです。
まず「鼻」でエサの存在を知り、接近してから「目」で正確な位置を特定する。
この二段階認証システムこそが、石鯛の捕食スタイルです。
2. 嗅覚の凄さ:潮流に乗った「匂いの粒子」を追跡する
石鯛の嗅覚は、人間が想像する以上に鋭敏です。
彼らは鼻孔(鼻の穴)の中に海水を通し、水に溶け込んだ微量な匂い物質(アミノ酸など)を感知します。
特にウニやサザエ、カニなどが傷ついた時に出る体液の匂いには強烈に反応します。
潮の流れに乗って漂ってくる「匂いの道(トレース)」を辿り、数百メートル先からでもエサの元へ一直線に向かってきます。
底物師が「ウニミンチ」や「砕いたコマセ」を撒くのは、この嗅覚刺激を最大化するためであり、
理にかなった最強の集魚法と言えます。
3. 視覚の役割:エサの「白さ」と「動き」でロックオン
嗅覚でエサの近くまで寄ってきた石鯛は、最後のアタック直前に「視覚」モードに切り替えます。
ここで重要になるのが**「コントラスト」と「動き」**です。
石鯛の目は、暗い海底でも「白っぽいもの」を見分ける能力に長けていると言われています。
黒い殻を割ったときに見えるウニの黄色い身や、サザエの白い肉片は、海中で非常に目立ちます。
また、エサが潮流でゆらゆらと動く様子や、落下する動きにも敏感です。
「匂いで寄ってきたが、最後に見切られる」というのは、この視覚的なアピール不足や、
不自然な仕掛けの動きが原因であることが多いのです。
4. 第三の感覚:「側線」で波動を感じ取る
実は、嗅覚と視覚に加えて忘れてはならないのが、魚の体の側面にある「側線(そくせん)」という感覚器官です。
これは水圧の変化や振動を感じ取るセンサーです。
生きているカニが動く振動や、エビが跳ねる波動は、泥濁りで視界がゼロの状況でも石鯛に伝わっています。
ヤドカリや伊勢海老などの「動くエサ」を使う場合は、この側線へのアピール(波動)が、視覚の代わりを果たします。
生き餌が特効薬になる日は、この「振動」がキーになっている場合が多いのです。
5. 実践テクニック:ウニの「汁」と「身」の使い分け
この感覚比率(嗅覚7:視覚3)を理解すると、エサの付け方が変わります。
【具体的な攻略手順】
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まず嗅覚を刺激する:仕掛けを投入する前に、足元にウニガラを砕いて撒き、匂いのカーテンを作る。 サシエのウニも、殻にヒビを入れたり、一部を割って「汁(体液)」が出るようにする。
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次に視覚に訴える:サシエのウニのトゲをハサミでカットし、中の身が見えるようにする。 真っ黒な塊よりも、中身の色が見えている方が、接近した石鯛が迷わずバイトしてきます。 赤貝やサザエを使う場合も、白い身をあえて露出させる「むき身」装飾が有効です。
6. まとめ:匂いで寄せ、目で食わせろ
石鯛釣りにおいて、エサを見つけさせる第一歩は「強烈な匂い」です。
しかし、口を使わせる最後の決め手は「見た目の魅力」です。
この7:3の黄金比率を意識して、エサの準備を行ってください。
「なぜか自分だけアタリがない」という時は、エサの新鮮さが落ちて匂いが消えているか、
視覚的なアピールが足りていない可能性があります。
匂いで広範囲から呼び寄せ、視覚で本能を刺激して食わせる。
この論理的なアプローチで、夢の銀ワサ(大型石鯛)を攻略しましょう。

