アオリイカの飼育が難しい理由は、主に以下の5つの要因に分けられます。
見た目の可愛らしさや知能の高さから「飼ってみたい」と思う人は多いですが、実際には非常に繊細な生き物で、長期飼育が成功する例はごくわずかです。
① ストレスに極めて弱い
・アオリイカは神経質で、少しの刺激や水質変化にも敏感に反応します。
・他のイカや魚と一緒に入れると、攻撃されたりぶつかったりしてショック死することもあります。
・人が水槽の前を通るだけでも、墨を吐いたり、急に泳ぎ回って体をぶつけることもあります。
② 壁に激突して自傷する
・アオリイカは視力が非常に良く、ガラス越しでも外の景色を「進める」と誤認して突っ込んでしまいます。
・結果として、体表が傷つき、特に「外套膜」が破けると致命傷になります。
・水槽内では角を丸くするか、暗めの環境を作らないと長生きしません。
③ 水質変化に弱い
・イカ類は「皮膚呼吸」も行うため、水質の悪化は直接生命に関わります。
・アンモニアや亜硝酸の濃度が少し上がるだけで、即死することがあります。
・大型個体になると排泄量も多く、ろ過装置を強力にしても追いつかないことがあります。
④ 餌の管理が難しい
・アオリイカは基本的に「生きたエサ(小魚やエビ)」しか食べません。
・冷凍アジやカニカマなどの人工エサにはほとんど反応しないため、常に活きエサを確保する必要があります。
・また、食べ残しを放置するとすぐに水が汚れ、酸欠やアンモニア中毒の原因になります。
⑤ 酸素消費量が非常に多い
・アオリイカは活発に泳ぐため、常に多くの酸素を必要とします。
・酸素供給が少しでも途切れると、わずか数分で弱りはじめます。
・そのため、ポンプ停止や停電は致命的です。
・同じサイズの魚と比べても、必要な酸素量はおよそ2〜3倍といわれています。
【まとめ】
アオリイカの飼育が難しいのは、
「デリケートな神経」と「繊細な体構造」、
「高い酸素要求量」、
「水質・温度・光・音などの急変に弱い生理的特徴」
が重なっているためです。
研究機関や水族館では、特別な円形水槽(角がなくぶつからない形)や、常時活エサ供給システムを使ってようやく短期飼育を実現しています。
一般家庭での長期飼育はほぼ不可能とされており、自然環境に近い設備を整えなければ、数日〜1週間で死んでしまうケースが多いです。


