エギングをしていると、アタリはあったはずなのに、回収したエギには歯形のような
「カジられ跡」だけが残っている、という経験はありませんか?
「あと少しだったのに!」という悔しさと同時に、こんな疑問が湧いてきます。
「もしかして、アオリイカはエギを偽物だと見破って、騙されたことに腹を立てて噛み付いたのだろうか?」
まるで人間のような感情を想像してしまいますが、あながち間違いではないかもしれません。
今回は、イカがエギを噛む理由について、そのユニークな心理と行動の謎に迫ります。
仮説:イカは「騙された!」と怒って噛みつくのか?
結論から言うと、イカに人間と同じ「怒り」の感情があるかは科学的には証明されていません。
しかし、獲物だと思って抱きついたものが硬くて食べられない、という事実に対して
「攻撃的な反応」を示す可能性は十分に考えられます。
イメージしてみてください。
- 美味しそうなベイトフィッシュ(エギ)が泳いでいる。
- 絶好のチャンス!とばかりに勢いよく抱きつく。
- しかし、感触がおかしい。硬くて食べられない偽物だ!
- 「なんだコイツは!」とばかりに、強力なクチバシ(カラストンビ)でガブリ!
これが、エギに残る噛み跡の正体ではないでしょうか。
これは食欲からくる行動というよりは、**騙されたことに対する「威嚇」や「攻撃」**と解釈できます。
そう考えると、エギングという釣りが、イカとの高度な心理戦であることがわかります。
イカがエギを噛む、もっともらしい3つの理由
「怒り」というユニークな視点以外にも、イカがエギを噛む行動には、いくつかの科学的な理由が考えられます。
理由1:捕食対象としての最終確認
最も有力な説が、**「捕食行動の一環」**というものです。
アオリイカは、まず触腕で獲物を捕らえ、次に足でがっちりとホールドし、最後に硬いクチバシで
急所を噛み砕いて仕留めます。
つまり、エギを噛むのは**「これが本当に食べられるものか?」と最終確認している**段階なのです。
しかし、プラスチックや布でできた硬いエギは、当然食べられません。
違和感を覚えて放してしまった結果、噛み跡だけが残る、という訳です。
理由2:縄張りへの侵入者への威嚇・攻撃
アオリイカ、特に大型の個体は縄張り意識が強いとされています。
自分のテリトリーに侵入してきた奇抜なカラーの物体(エギ)に対して、敵とみなし、
排除しようと攻撃してくることがあります。
この場合の「噛みつき」は、食べるためではなく、純粋な攻撃行動です。
「俺の縄張りから出ていけ!」という強い意志の表れであり、非常に激しいアタリとして
現れることも少なくありません。
理由3:未知の物体への好奇心
イカは非常に知能が高く、好奇心旺盛な生き物です。
目の前でひらひらと動く、今まで見たことのない物体(エギ)に興味を示し、
「これは一体なんだ?」と確かめるために、とりあえず噛んでみることがあります。
これは、人間の赤ちゃんが何でも口に入れて確かめようとする行動に似ています。
この場合、深いバイトには至らず、甘噛みのような小さな傷だけが残ることが多いです。
噛み跡から釣果に繋げるヒント
いずれにせよ、エギに噛み跡が残っているのは、「そこにイカがいて、エギに興味を示した」
という紛れもない事実です。
これは最大のチャンスです。
- 同じコースを再度通す:まだ近くにいる可能性が高いです。
- エギのカラーやサイズを変える:見切られた可能性を考え、違うアプローチを試します。
- フォール時間を変える:抱きつく「間」を与えられていないのかもしれません。少し長めにフォールさせてみましょう。
噛み跡を「悔しい!」で終わらせるか、「次へのヒント」と捉えるかで、釣果は大きく変わってきます。
まとめ:イカの気持ちは謎多き、だからエギングは面白い
アオリイカが怒ってエギを噛むのか、それとも別の理由があるのか。
その真実は、イカにしかわかりません。
しかし、その行動の裏にある心理を想像し、「どうすれば抱かせられるか?」と
試行錯誤することこそが、エギングの最大の魅力ではないでしょうか。
次にエギに噛み跡を見つけたら、ぜひイカの気持ちを想像してみてください。
きっと、あなたのエギングがもっと深く、面白いものになるはずです。


