🎣 紀州流半遊動仕掛けとは?
潮岬や樫野のように、潮が速く二枚潮が発生しやすい磯では、
ウキを完全に遊動させてしまうと、仕掛けが馴染む前に流されてしまいます。
そのため、ウキ止めを付けてタナをある程度固定しながら、潮に自然に乗せる。
これが「紀州流半遊動仕掛け」の基本思想です。
⚙ 仕掛け構成(標準型)
🌊 仕掛けのイメージ
・ウキ止めで「ウキ下3〜5m」に設定。
・撒き餌を潮に乗せて流し、そのラインに刺し餌を合わせる。
・ウキが“立って沈み始める瞬間”がアタリ。
つまり、
「沈ませすぎず・浮かせすぎず・潮に馴染ませる」――そのバランスこそが命です。
💡 仕掛けのポイント
① ウキは重心が下の「棒ウキ」または「遠投円錐ウキ」
・潮岬のような早い潮では、棒ウキの方が安定して流せます。
・最近は感度の高い円錐ウキ(B~3B)で再現する人も増えています。
② 道糸を張りすぎず、緩めすぎず
・張りすぎると潮に乗らず、緩めすぎるとアタリが取れません。
・「風で少し糸フケが出る程度」が理想的です。
③ 潮の流れに乗せる
・撒き餌と刺し餌を同調させることが重要。
・潮のヨレを見極め、「潮目に仕掛けを通す技術」が釣果を分けます。
🎯 ターゲット魚
・口太グレ(35〜45cm)
・尾長グレ(45〜55cm)
・イスズミ、イサキ、コロダイなども混ざる
潮岬の磯では「半遊動仕掛け」で60cm級尾長が釣れた記録もあります。
🧭 現代釣法との違い
| 項目 | 紀州流半遊動 | 現代ゼロ釣法 |
|---|---|---|
| ウキ止め | あり(タナ固定) | なし(全遊動) |
| ウキの浮力 | B〜3B(やや重め) | 00〜G2(軽め) |
| 糸テンション | 緩め気味 | 張り気味 |
| 狙い方 | 潮に自然に乗せる | 層を探って沈ませる |
| アタリの取り方 | ウキの立ち沈み | ラインテンションで取る |
📜 歴史と背景
この仕掛けは、1950〜1980年代に紀南一帯で主流だったもので、
特に潮岬の磯師たちは、
「潮に逆らわず、潮と語らいながら釣る」
という哲学を大切にしていました。
仕掛けはシンプルですが、釣り人の経験と潮読みの力がすべて。
まさに“職人技の釣り”です。

