タチウオはどの程度移動するのか?

タチウオは典型的な回遊性肉食魚で、沿岸から沖合まで広く分布します。

日本近海では、主に外洋系(太平洋・東シナ海)を回遊する群れと、沿岸の内湾・半外洋系にとどまる群れに分かれる傾向があります。

研究や標識放流データによると、タチウオは1日に数十km、シーズン単位で数百km単位の移動が可能です。

特に紀伊水道や大阪湾に入ってくる個体は、紀伊半島沿岸を季節ごとに南北移動することが確認されています。


大阪湾 → 和歌山 → 御坊 → みなべ までの移動はあるのか?

紀伊水道・大阪湾で夏~秋に釣れるタチウオは、冬季に水温が下がると南下する個体が多いと考えられています。
黒潮の分流に乗って紀伊半島西岸(和歌山沿岸)を南下し、
田辺・白浜沖や御坊~みなべ沖に現れるケースも実際に観測されています。

標識放流では大阪湾で放流したタチウオが数週間~数か月後に和歌山沿岸で再捕獲された例もあり、
大阪→和歌山→御坊→みなべという連続移動ルートは十分あり得るといえます。

ただし、御坊やみなべで釣れる個体のすべてが大阪湾から移動してきたわけではありません。
黒潮系の外洋回遊群が紀伊水道を経由せず直接南紀沿岸に回り込むパターンも多く、
地域ごとに複数の系統群が混じっているのが実態です。


「同じ魚」か? それとも別群か?

大阪湾発の南下組
 大阪湾や紀伊水道で夏~秋に成長し、冬に水温を求めて南へ下る群れ。
 比較的沿岸寄りを移動するため、和歌山沿岸でも釣られやすい。

黒潮外洋組
 紀伊半島沖の黒潮本流沿いを回遊する大型群。
 夏~秋は潮に乗って南紀沿岸に接岸、冬は四国沖や九州方面へ。
 大阪湾に入ることは少なく、和歌山で釣れる個体とは別系統のケースが多い。

半定着型(居着き系)
 湾奥や一部の沿岸に長期間留まる小規模群。
 大阪湾の一部や紀伊水道内湾などで確認されているが、移動距離は短め。

このように、大阪湾から南紀へ移動する個体もいれば、もともと南紀周辺を回遊している個体もいるため、釣り人が釣り上げる1匹ごとに出身地を特定するのは難しいのが現状です。


釣り人向けまとめ

・タチウオは1シーズンで数百km単位の移動が可能。
・大阪湾→和歌山→御坊→みなべと南下する個体も確実に存在。
・ただし南紀のタチウオは黒潮系外洋群が主体で、大阪湾からの移動組と混在している。
・季節や潮流により群れが入れ替わるため、同じ釣り場でも年により型や数が変化する。


まとめ

大阪湾で釣れたタチウオが、冬には和歌山~南紀に現れるケースは十分あり得ます。

ただし御坊やみなべで釣れる魚がすべて大阪湾から来たわけではなく、黒潮系の別群も混在しています。

釣り人にとっては、シーズンごとの潮の動きや水温変化を読むことが最重要で、

回遊経路を意識した釣行計画が釣果アップにつながります。

大阪湾で釣れたタチウオが、冬には和歌山~南紀に現れるケースは十分あり得ます。釣太郎

 

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