アオリイカの刺身を食べたときに感じる「甘み」と「旨味」。
実はこの二つの言葉は、アオリイカだけでなく他の魚介類にも使われています。
ただし、どの生き物に対しても同じように使えるわけではなく、それぞれの特徴によって表現の仕方に違いがあります。
この記事では、イカ類・タコ・エビ・カニ、そして魚における「甘み」と「旨味」の使われ方を整理して解説します。
イカ類(アオリイカ以外も)
イカは全般的に「甘み」と「旨味」で語られる食材です。
・スルメイカやヤリイカ、ケンサキイカも新鮮なうちは糖質(グリコーゲン)が多く、甘みを感じやすい
・アオリイカほど強烈ではないが、身が柔らかい小型〜中型サイズでは特に甘さを楽しめる
・一方で、数時間〜半日寝かせることでアミノ酸由来の旨味が増し、深みのある味わいに変化する
つまり、イカ類は「釣った直後は甘み」「寝かせると旨味」という二段構えの楽しみ方ができます。
タコ
タコはイカと比べると「甘み」は弱めです。
・生の状態で「ほんのり甘い」と感じることはあるが、主役は旨味
・噛むほどにアミノ酸が滲み出て、濃厚な旨味が長く続く
・特にマダコやミズダコは加熱後に旨味が強調され、「噛むほどに美味しい」と表現される
タコに関しては「甘み」より「旨味と風味」で語られることがほとんどです。
エビ
エビは「甘み」で評価される代表的な食材です。
・生のクルマエビやボタンエビは、とろけるような甘さが特徴
・糖質と遊離アミノ酸が豊富で、甘みが前面に出る
・加熱すると香ばしさと旨味が強調され、甘みとのバランスが取れる
「生食で甘み」「加熱で旨味」と変化するため、料理法で味の表情が大きく変わります。
カニ
カニも「甘み」と「旨味」の両方で語られます。
・身の繊維質はしっかりとした甘みがあり、ズワイガニは「上品な甘み」と表現されやすい
・カニ味噌にはアミノ酸由来の濃厚な旨味が凝縮
・タラバガニは身の甘みが強く、ズワイガニは旨味と甘みのバランスが良い
カニは部位ごとに「甘み」と「旨味」の感じ方が異なるのが特徴です。
魚
魚は基本的に「旨味」で語られることが多いです。
・脂の乗った青物(ブリ、サバなど)は「脂の旨味」「コク」と表現される
・白身魚(タイ、ヒラメ、フグなど)は上品で淡い味わいがあり、「ほんのりとした甘み」という表現が用いられることもある
・ただし魚の場合、甘みはイカやエビほど強調されない
魚における甘みは「脂由来」または「上品さを示す言葉」として限定的に使われています。
まとめ
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イカ(アオリイカ含む) → 甘み(グリコーゲン)と旨味(アミノ酸)の両方が明確
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タコ → 甘みは弱く、旨味が主役
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エビ → 甘みが際立ち、生と加熱で味わいが変化
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カニ → 身は甘み、味噌は旨味と部位ごとに違う
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魚 → 基本は旨味主体。白身魚だけ一部「上品な甘み」と表現される


