お寿司屋さんや鮮魚店で、ひときわ目を引く鮮やかな赤身の魚。
その代表格が「マグロ」と「カツオ」です。
どちらも回遊魚で、日本人にとっては馴染み深い人気の魚ですが、「具体的にどこが違うの?」と
聞かれると、意外と答えに詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。
「なんとなくマグロの方が高くて、カツオはタタキのイメージ…」 その認識、正解です!
しかし、この二つの魚には、知れば知るほど面白い、明確な違いがたくさんあります。
この記事では、そんなマグロとカツオの違いを、「見た目」から「味」「旬」
「値段」「栄養」まで、あらゆる角度から徹底的に比較・解説します。
これを読めば、あなたも明日から使える「魚の目利き」になれること間違いなしです!
一目でわかる!マグロとカツオの比較早見表
まずは、忙しい方のために結論から。
マグロとカツオの主な違いを一覧表にまとめました。
【違い① 分類】親戚だけど、家系が違う
まず生物学的な立ち位置から見てみましょう。
マグロとカツオは、どちらもスズキ目サバ科に属する魚で、いわば「親戚」のような関係です。 しかし、その先の「属」が異なります。
- マグロ → マグロ属 (Thunnus)
- カツオ → カツオ属 (Katsuwonus)
人間で言えば、同じ「サバ科」という名字を持つ親戚だけど、「マグロ家」と「カツオ家」と
いう別の家系に分かれている、とイメージすると分かりやすいでしょう。
【違い② 見た目】体の「縞模様」が最大の見分けポイント!
スーパーで切り身ではなく、魚が丸ごと一匹(一本)売られていたら、見分けるのは簡単です。
マグロ
「海のダイヤモンド」クロマグロは体長3m、体重400kgを超えることもある海の王者。
全体的にずんぐりとしたパワフルな流線形で、体に縞模様はありません。
カツオ
一般的なサイズは40~60cmほど。マグロに比べると小型で、より弾丸のようなシャープな紡錘形をしています。
そして最大の特徴が、お腹側にある数本の黒い縦縞です。
実はこの縞模様、生きている間は興奮した時にしか現れず、死んでからハッキリと現れるという不思議な特徴があります。
【違い③ 旬】年に2回楽しめるカツオ、冬に極まるマグロ
旬の時期は、両者のキャラクターを最もよく表しています。
カツオ:春と秋、二つの顔を持つ季節の使者
カツオには年に2回、明確な旬があります。
- 初ガツオ(春): 4月~6月頃、黒潮に乗って北上してくるカツオ。脂は少なめで、さっぱりとして瑞々しい味わいが特徴。「女房を質に入れても食う」と言われるほどの江戸っ子好みの味です。
- 戻りガツオ(秋): 9月~11月頃、Uターンして南下してくるカツオ。エサをたっぷり食べているため丸々と太り、脂が乗りまくっています。その濃厚な味わいは「トロ鰹」とも呼ばれます。
マグロ:冬に旨味の頂点を迎える王様
マグロは種類が多く一概には言えませんが、最高級のクロマグロの旬は冬です。
越冬のために体に脂肪をたっぷりと蓄え、赤身にも脂が乗り、まさに全身がトロのような状態になります。
ただし、現在は冷凍技術が非常に発達しているため、一年を通して美味しいマグロを食べることができます。
【違い④ 味と食べ方】「脂の旨味」のマグロ、「香りの旨味」のカツオ
皆さんが最も気になる「味」の違い。これは両者の脂肪の質と含有量に大きく左右されます。
マグロ:部位によって変化する「脂のグラデーション」
マグロの魅力は、何と言っても**「トロ」**の存在。大トロ、中トロ、赤身と、
部位によって脂の乗りが全く異なり、多彩な味わいを楽しめます。
- 大トロ: 口に入れた瞬間とろける、甘く濃厚な脂の旨味。
- 赤身: ねっとりとした食感と、上品で深いコク、わずかな酸味。 マグロの真価は赤身にあり、という食通も少なくありません。 主に寿司や刺身で、その繊細な味をダイレクトに楽しむのが一番です。
カツオ:「タタキ」が証明する「香ばしさと鉄分の風味」
カツオの赤身は、マグロに比べて酸味が強く、**鉄分を思わせる独特の風味(血合いの風味)**があります。
この風味がカツオの旨味の核となっています。 身質はマグロより柔らかく、もっちりとした食感です。
そして、カツオと言えばやはり**「タタキ」**。表面を炙ることで、皮目の分厚い脂肪の旨味を閉じ込め、香ばしさをプラス。
さらに、薬味(ニンニク、ショウガ、ネギ)がカツオの持つ独特の風味を見事に引き立て、最高の料理へと昇華させます。
【違い⑤ 値段と栄養】高級魚マグロと、健康優良児カツオ
値段
これは皆さんのイメージ通り、一般的にマグロの方が圧倒的に高価です。
特にクロマグロの大トロは、一貫数千円することも珍しくありません。
一方、カツオは比較的手頃な価格で手に入る大衆魚であり、旬の時期にはスーパーでも
一本丸ごとで売られているのを見かけます。
栄養
どちらも非常に栄養価が高いですが、特に優れている点に違いがあります。
- マグロ: 脳の働きを活性化させるDHAや、血液をサラサラにするEPAが非常に豊富です。
- カツオ: 貧血予防に効果的な鉄分の含有量は魚類の中でもトップクラス。また、疲労回復を助けるビタミンB群も豊富に含まれています。
まとめ:あなたはマグロ派?それともカツオ派?
いかがでしたか?
マグロとカツオ、似ているようで全く違う個性と魅力を持つ魚であることがお分かりいただけたかと思います。
- 特別な日に、とろけるような贅沢な旨味を味わいたいなら → マグロ
- 季節の訪れを感じながら、力強い風味と香ばしさを楽しみたいなら → カツオ
どちらが良いというわけではなく、それぞれに最高の美味しさがあります。
次に魚を食べる機会があれば、ぜひこの記事を思い出してみてください。
その魚の背景にあるストーリーを知ることで、いつもの一皿が、きっと何倍も美味しく感じられるはずです。


