【プロが教える】魚の旬は産卵期じゃない?本当に脂がのって美味しい時期の秘密

魚の旬は産卵期と思っていませんか?

実は、多くの魚で本当に脂がのって美味しいのは「産卵前」。

その科学的な理由と、マダイやブリなど旬の魚を最高に楽しむ秘訣を分かりやすく解説します。

これでもう美味しい魚を逃しません!

「この魚、脂がのっていて美味しいね!」

旬の魚を食べたとき、思わず口にしてしまう言葉です。

ところで、皆さんは魚の「旬」や「脂がのる時期」をいつだと考えていますか?

「そりゃあ、卵をたくさん持っている産卵期でしょ?」

そう思っている方が非常に多いのではないでしょうか。

しかし、実はその考え方、多くの場合で間違いなんです。

この記事では、元鮮魚店勤務の私が、

「なぜ産卵期が一番美味しいわけではないのか」

「本当に脂がのる時期はいつなのか」

を、科学的な理由と具体的な魚の例を交えて徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたも「魚ツウ」。

スーパーやお寿司屋さんで、本当に美味しい魚を見抜けるようになりますよ。

【結論】魚の脂が最高にのるのは「産卵前」

いきなり結論からお伝えします。

多くの魚で、**最も脂がのり、身の味が濃くなるのは産卵のために栄養をたっぷりと蓄えた「産卵前」**の時期です。

「産卵期=旬」というイメージは、子持ちガレイのように卵や白子を珍重する文化や、

一部の魚のイメージが先行したものかもしれません。

しかし、「身そのものの美味しさ」を追求するなら、狙うべきは断然「産卵前」なのです。

なぜ「産卵前」の魚は美味しいのか?科学的な理由

魚にとって、子孫を残すための「産卵」は、命がけの一大イベントです。

人間には想像もつかないほどの膨大なエネルギーを必要とします。

  • 産卵前: 産卵という大仕事に備え、魚はエサをたくさん食べて体に栄養を蓄えます。この栄養の多くは、エネルギー源となる脂質です。これが、私たちが「脂がのっている」と感じる正体です。筋肉にも脂肪が入り込み、身質は柔らかく、味は濃厚になります。
  • 産卵期・産卵後: 産卵でエネルギーの大部分を卵や白子に送ったり、産卵行動そのもので体力を使い果たしてしまいます。結果として、身は痩せ細り、あれほどあった脂もすっかり落ちてしまいます。この状態の魚を「産卵後の疲れ」などと表現します。

つまり、産卵を終えた魚は、いわば栄養を使い切ったアスリートのような状態

一方で、産卵前の魚は、大事な試合(産卵)を控えてエネルギー満タンの状態なのです。

どちらの身が美味しいかは、もうお分かりですよね。

【具体例】これで納得!「産卵前」が旬の代表的な魚たち

言葉だけではイメージしにくいかもしれません。

私たちの食卓にもおなじみの魚を例に見ていきましょう。

マダイ:旬は秋~冬の「紅葉鯛」
  • 産卵期:春(3月~6月頃)
  • 旬(脂がのる時期)秋~冬

春の産卵期、マダイは美しい桜色になることから「桜鯛」と呼ばれ、縁起物として珍重されます。

しかし、これは見た目の話。

産卵を終えた初夏のマダイは「麦わら鯛」と呼ばれ、味が落ちることで知られています。

本当に脂がのって美味しいのは、産卵に備えて栄養を蓄える秋から冬にかけて

この時期のマダイは、体色も鮮やかになり「紅葉鯛(もみじだい)」と呼ばれ、食通に好まれます。

ブリ:旬は冬の「寒ブリ」
  • 産卵期:春(2月~6月頃)
  • 旬(脂がのる時期)冬(12月~2月頃)

寒ブリ」は、もはや冬の風物詩ですね。

ブリは産卵のために、エサが豊富な北海道沖から九州の暖かい海域へと南下します。

この南下する時期に、体にたっぷりと脂肪を蓄え、丸々と太ります。

まさに産卵に備えた最高の状態です。

とろけるような脂の旨味は、この時期ならではのごちそうです。

サバ:旬は秋~冬の「秋サバ」「寒サバ」
  • 産卵期:春~夏
  • 旬(脂がのる時期)秋~冬

サバもブリと同様、産卵を控えた秋から冬にかけて脂がのります。

特に「秋サバ」や「寒サバ」と呼ばれるこの時期の真サバは、身が厚く、全身にびっしりと脂がのっています。

とろけるような締めサバや、じゅわっと脂があふれる塩焼きは、まさに絶品です。

例外はある?「産卵期」が美味しいとされる魚

もちろん、全ての魚が「産卵前が絶対!」というわけではありません。

「身の脂」とは別の価値観で、「産卵期」が旬とされる魚もいます。

  • カレイ(子持ちガレイ)
  • ハタハタ
  • ワカサギ

これらの魚に共通するのは、プリプリ、プチプチとした「卵」や「白子」そのものを味わう文化があることです。

特にカレイの煮付けは、ほろっとした身と、濃厚な旨味のある卵を一緒に味わうのが醍醐味ですよね。

ハタハタの「ブリコ」と呼ばれる卵も、独特の食感で人気があります。

これらは、「身の美味しさ」というよりも、「種の保存が生み出した副産物をいただく」という、

また違った食文化の楽しみ方と言えるでしょう。

【まとめ】賢い消費者になろう!

いかがでしたでしょうか。 最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 多くの魚は「産卵前」に栄養を蓄え、最も脂がのって美味しい。
  • 産卵後の魚は、エネルギーを使い果たして身が痩せていることが多い。
  • 「産卵期=旬」は、卵や白子を楽しむ一部の魚に当てはまる考え方。

「旬」という言葉には、様々な意味合いが含まれています。

たくさん獲れる「漁獲の旬」、そして味が最も良くなる「味覚の旬」。

これからは魚を選ぶとき、ぜひ「この魚はこれから産卵なのかな?」と考えてみてください。

その視点を持つだけで、いつもの魚売り場がもっと面白く、そして食卓がもっと豊かになるはずです。

お魚屋さんで「今日、一番脂がのってる魚はどれ?」と聞いてみるのも、最高の魚に出会う近道ですよ。

魚の脂がのるのは「産卵期」ではなく「産卵前」が多い・産卵前はエネルギーを蓄えるため、脂が身にたっぷり乗る。釣太郎

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