アオリイカは底中心だが、中層や表層のアジにも食いつく!棚ズレが許容される理由とは?

「アオリイカ=底にいる生き物」

釣り人なら誰もが一度は耳にしたことのあるフレーズではないでしょうか。

実際、アオリイカは海底付近に潜んでいることが多く、特に日中は岩陰や海藻帯に身を寄せながら獲物を待ち構えています。

そのため「タナは必ず底に合わせるべき」という考えが浸透しているのです。

しかし、実際のフィールドで釣りをしていると、必ずしも底付近のアジにしか反応しないわけではありません。

中層を泳いでいるアジや、表層近くで群れているアジに対しても、アオリイカは果敢にアタックしてきます。

つまり、棚が多少ズレていても食ってくる可能性は十分にあるのです。

では、なぜアオリイカは「底中心」なのに「中層や表層の獲物」にも反応できるのでしょうか?

その答えは、アオリイカの 視覚能力の高さ・遊泳力・柔軟な捕食行動 に隠されています。

本記事では、釣り人が誤解しがちな「棚合わせの必要性」を科学的に解き明かし、実際の釣行に役立つ知識を解説します。


① アオリイカは「底中心」だが限定されない

アオリイカは夜行性の性質を持ち、特に夕マズメから夜間にかけて活発に行動します。

日中は光を嫌い、底付近や障害物周辺に潜む傾向があるため「底中心の生き物」として認識されがちです。

しかし、アオリイカは待ち伏せ型の捕食者ではなく「追尾型ハンター」です。

エサとなるアジやイワシの群れが中層を回遊すれば、イカもそれに追随して水深を変えます。

特に常夜灯周りでは表層に浮いたベイトを狙うことも多く、実際にエギやヤエン仕掛けを表層付近で抱かせるケースも報告されています。

釣り人が誤解しやすいのは「底=安全地帯」「表層=危険だから行かない」という固定観念です。

実際のアオリイカは、餌がいればリスクを冒してでも追いかける行動を見せます。

その柔軟性こそ、アオリイカが「海の忍者」と呼ばれるゆえんなのです。


② 棚ズレが許容される理由

釣り人にとって「タナ合わせ」は重要なテーマです。

しかしアオリイカの場合、他の魚種に比べてタナズレによる影響は小さいと考えられます。

理由1:推進力の高さ

アオリイカはヒレとジェット噴射の両方を駆使して、上下左右に素早く移動できます。

そのため、底から中層までわずか数秒で移動可能。

仮にアジが5m上を泳いでいても、イカにとっては問題になりません。

理由2:高い餌認知能力

アオリイカは視覚を主力とし、周囲の獲物を広範囲にチェックしています。

底に潜んでいても、中層を泳ぐアジを「視界に入れば即認識」できるため、距離さえ許容範囲ならすぐに追尾します。

理由3:活性の高い個体が反応する

棚から外れたアジに食いつくケースでは、特に活性の高いイカが反応しやすい傾向があります。

つまり「棚ズレ=釣れない」ではなく、「棚ズレ=高活性のイカが選別される」というメリットもあるのです。


③ アオリイカの認知距離は条件次第で5〜50m

アオリイカが棚ズレを許容できる最大の理由は、その驚異的な視覚能力にあります。
「認知距離=アオリイカが獲物を見つけられる距離」は環境条件によって大きく変化します。

澄潮+月明かり(好条件)

・最大50m先のアジを発見可能。
・常夜灯下ではさらに認識精度が高まり、表層のアジにも即座にアタック。

普通の透明度+日中

・約15〜30m程度が目安。
・中層で泳ぐアジでも十分に視認範囲内。

濁り+波立ち(悪条件)

・5〜10mまで短縮。
・この場合は棚ズレの影響が大きくなり、底付近を狙った方が安定する。

実釣体験からの裏付け

和歌山の防波堤や地磯での実釣データでも「底から5m以上上のアジに抱きついた」という報告が多くあります。

特に春イカシーズンは大型個体が積極的に中層まで追尾し、夏〜秋の新子は表層近くでエギに飛びつくことも珍しくありません。

 

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