日本人にとって身近な魚「アジ」。
塩焼き、刺身、フライ、干物と、どんな料理にしても美味しく、食卓に欠かせない存在です。
では、この「アジ」という名前はどこから来たのでしょうか。
実は、いくつかの由来が語られています。
「味」が良いから「アジ」
最も有名な説は「味が良いからアジと呼ばれるようになった」というもの。
アジは古くから日本人に親しまれてきた魚で、平安時代の文献にもその名が登場します。
クセが少なく旨味があり、万人に好まれる魚であることから、「味(あじ)」がそのまま名前になったと考えられています。
魚の名前に「美味しさ」が直結する例は珍しく、アジが日本人の食文化に深く根付いてきた証といえるでしょう。
「味がある」=「存在感がある」
もう一つの説は「味」という言葉が、単に「旨い」という意味だけでなく、「趣がある」「存在感がある」というニュアンスで使われたというもの。
つまり、海辺でよく獲れる魚の中でも、特に存在感があり目立つことから「アジ」と呼ばれるようになったという説です。
実際、アジは回遊魚で群れをつくり、漁獲量も多く、昔から庶民の生活に密接な魚でした。
漢字「鯵」の由来
アジは漢字で「鯵」と書きます。
この字は魚偏に「参」と書きますが、「三月(旧暦)」に美味しいことから当てられたともいわれています。
また、「参」は「たくさん」「群れる」という意味合いもあるため、群れをなして泳ぐアジの特徴とも重なります。
アジが「味の標準」とされた?
昔の人は魚の味を比較するとき、「アジと比べてどうか」を基準にすることもあったとされます。
つまりアジは「魚の味の基準」とも言える存在だったのです。
これほど「味」と強く結びついている魚は珍しく、アジが古来から日本人の食文化の中心にあったことが分かります。
まとめ
・アジの名前は「味が良い」ことに由来する説が有力。
・「味」には「旨い」だけでなく「存在感がある」という意味も含まれる。
・漢字の「鯵」は「三月に美味しい」や「群れる」ことから生まれた。
・アジは古来から「魚の味の基準」とされてきたほど、日本人にとって欠かせない魚。
シンプルながら奥深い名前の由来。
今度アジを食べるときには、その「名前に込められた歴史」も味わってみてください。

